天国からのエール
Island In The Sun
一生懸命に生きる主人公が、突然の病に倒れる話。というわりには、それほどしめっぽくないのが特徴でしょうか。
映画の大半はロック・バンドにまつわるエピソードで、病関連は終盤のみ。あっという間に悪化して、あっという間に去ってしまう。そのあたりのバランスが、主人公のはっきりとした性格と相まって、深刻な展開である割りにはさわやかな印象を与えているのかもしれない。
劇中でも家族に非難されているように、「なんでそこまでするの」という主人公のゴリゴリのおせっかいさ。本来ならばかなり不自然に感じてもおかしくないとは思うのですが、あまり観る者にそう感じさせないのは、阿部寛の真っ直ぐな演技と、沖縄という舞台設定のためかもしれません。
暖かくて、ゆったりしていて、人々はやさしいイントネーションの言葉を話す。
映画の中で描かれている沖縄の様子は、あのような主人公がいてもおかしくないな、と思わせる不思議な雰囲気をもっていたと思います。
「おなか空いたでしょう」
何度も何度も、こどもたちに振る舞われるごはん。
みんなでワイワイと食べる食事のシーン。
そんな当たり前の情景が、切ないほどに美しかったのがとても印象的でした。
92/100
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