猿の惑星:創世記(ジェネシス)
Revolution Calling
『猿の惑星』は多分、『ネタバレ厳禁映画』の草分け的存在だろう。
もちろんそれだけの映画ではないけれども、その衝撃のエンディングシーンが印象的であるのは間違いない。
それゆえ本作は、その存在自体が『猿の惑星』に対しての致命的なネタバレである。なんだか『猿の惑星』に申し訳がない気がするけれど、40年以上も前の映画ゆえ、もう時効ということでしょうか。
『創世記』というわりにはそんなにスケールは感じないけれども、『始めの一歩』としてはなかなかに印象的な映画です。
とくに猿たちの『演技』が素晴らしいの一言。特にリーダーであるシーザーの、理知的で毅然としていて、でも果てしない哀感が漂う佇まいが絶品です。
彼が自分の身代わりとなったゴリラを看取るシーンは、本作で最も感動的なシーンだったのではないでしょうか。
本作で描かれているのは、事件や事故、反乱や戦争ではなく、ある文明から別の文明へ移り変わる『革命』なのだ。観る者にそう感じさせるだけの存在感を猿たちは備えていたと思います。
ただ、彼らに行動を起こさせるきっかけとなった人間の愚かさ。それが本作では動物保護施設での虐待しか描かれていなかったため、動機付けとしては弱かったのが残念な点でしょうか。戦争行為や環境破壊などもう少し大きな『愚かさ』を提示できたら、もっとSF的スケールが増したと思いますがどうでしょうか。
なにはともあれ、『トランスフォーマー』や『アバター』などとはまた違った形での、CG技術の素晴らしい到達点の一つであることは間違いありません。
91/100
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