スリーデイズ
Breaking The Chains
「妻が無実の罪で逮捕される」
というシチュエーションの場合、映画的には『容疑を晴らすための真犯人捜し』となるケースがほとんどだと思いますが、この映画の場合はそれが『脱獄』という方向に話しが進んでしまうところがユニークです。
それも素人が計画する『脱獄』ですから、緻密なようでいて相当行き当たりばったりな計画です。この辺りは緻密なシナリオが持ち味のポール・ハギスらしくない印象です(まぁ、リメイクですからしょうがないですけれど)。
妻の『無実』自体が終盤まではっきりしない展開のため、暴走する主人公を見ていても、いまひとつ心情的に乗り切れない部分も気にかかります。
妻が『白か黒か』という部分で引っ張るのは、このシナリオの大きな特徴なので仕方ないかもしれませんが、アクション映画としてみるとマイナスだったと思います。
さらにはエンディングの、妙に情緒的かつもったいぶった真相解明も盛り上がりに欠けたようです。
それでも、鈍重かつ慎重なようでいていざ動き出すと誰にも止められない。そんな暴走バッファローのような主人公にはラッセル・クロウがピッタリすぎ。
ラッセル・クロウのキャラクター性と、巧みな編集による映画としてのスピード感。
後から振り返るといまいちな点が散見するのですが、観ているときはそこそこ楽しく観られてしまうのは、さすが巧者ポール・ハギスといったところでしょうか。
でも、誰もポール・ハギスにリメイクなんか期待してないと思いますが。
あと、関係ありませんが、ポスターの巨大なラッセル・クロウのひげ面がすごいです…
86/100
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