ワイルド・スピード MEGA MAX (IMAX)
Home Sweet Home
なんだかいつの間にか、しっかりユニバーサルの屋台骨を支える安定した人気シリーズとなってしまった『ワイルド・スピード』シリーズ。本作はその第5作です。
着実にスケールアップしている本シリーズ。従来のストリートレースの世界観はかなり薄れてしまっていますが、カーアクションの他にも銃撃戦やら格闘やら、総合的なアクション映画に成長しています。ただ、アクションといいつつもシリアスさよりも『ゆるさ』が先行するのが本シリーズの特徴。はったりのきいたケレン味たっぷりのアクションシーンを「バカだなぁ」と楽しめるかどうかが評価の分かれ目でしょうか。
そのあたりを割り切ってしまえば、アクションの充実度は近年の映画の中でも最高クラス。本作ラストの街を破壊せんばかりのカーアクションなどは、車両の壊れっぷりがあまりに見事です。さらに本作では、凄腕捜査官として主人公たちを追い回すドウェイン・ジョンソンの存在がよいスパイスに。ヴィン・ディーゼルとの大男同士の乱闘シーンなどは、スクリーンが狭く感じるほどの筋肉でうっとうしすぎます。最後は味方になってしまうところなども、あまりに都合良すぎるのですが、実は観客はみんなこれを期待していたと思います(笑)。
はっきりいえば『おバカ映画』かもしれません。でも贅沢なんです。
「今のは普通死んでるだろう」というような適当な展開なのに、映像の迫力・グレードはなんだか高い。今回はIMAXだったために、さらに高品質。手で触れそうなほどのサラウンド大音響でぐったり疲れますし、飛び散る大量の破片で目もちらちらします。
そんなアクションの合間には、おなじみのメンバーのドラマが入るわけですが、なんだか顔なじみが久しぶりに集まっているまったり感が濃厚。というより、出演者本人たちがすっかりなごんでいるような気がします。そうなんです。昔からそうなんですけれど、このシリーズの出演者って、すごく楽しんで出演しているような感じがするのです。だから多少映画が適当でも「まぁいいか」って気持ちになるのですよねぇ。
冷静に考えたら、いい加減なストーリーですからね。捕まってもすぐ脱走するし、警官はいつの間にか味方になるし。指名手配されたってつかまりゃしません。それでも「どうせ脱走するよなぁ」「こいつ最後は味方するよなぁ」と、ご都合主義な展開をいつの間にか期待している自分がいるのが不思議です。
相変わらずへらへらしているポール・ウォーカーと強面のくせにちょっとお茶目なヴィン・ディーゼル。格好いい高級スポーツカーと美女軍団。
映画のバランスってなんでしょうね。完成度はどこか欠けていても、パッケージとしてみると変な魅力がある。こういうのは狙ってできるものなんでしょうか、それともたまたまなんでしょうか。
いつまでも、適当に続いてほしいなぁ。
89/100
#369
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