モールス
YYZ
『ぼくのエリ 200歳の少女』のリメイクです。
両方観ると、かなり忠実なリメイクぶりがうかがえます。
良くなった点。
『エリ』のあか抜けないところ、例えばサスペンスやホラー描写のぎこちなさ、安っぽさがなくなり、すっきりと映画としての平均点が上がっていることでしょう。さりげなく派手なシーンもはさみこんで、さすがはハリウッドです。
しかし、失ったものもありそうです。
少年と少女の交流。少しずつ受け入れあっていくその様子の説得力。
二人の『絆』の強さと儚さ。
それはとても感覚的なものですが、『エリ』のほうが勝っていたと思います。
それは俳優が感じさせる雰囲気なのか、演技の差なのか。ちょっとしたセリフ回しの違いなのか。それともスウェーデンの冷たい空気のせいなのか。
同じように創っても、どこか違ってしまうというのは、映画の不思議なところです。
『モールス』でハッとさせられたシーンといえば、少女の部屋で少年が少女と『父』の昔の写真を見てしまうところです。
セリフは一切ないシーンなのですが、少年がこれからの自分の行く末、その闇を見つめて戦慄するさまがおそろしく、それゆえラストシーンがさらに重いものになっていたと思います。
どちらを『取る』かは難しいです。
ただ、難がある一方で輝くところのあった『エリ』のほうが、観ていて楽しかったかもしれません。
81/100
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