シャンハイ
Lady Double Dealer
日米開戦前夜の上海。日・米・独・中、利害の絡まる各国が微妙なバランスで同居するその街を舞台に繰り広げられる、歴史物語というよりは完全なスパイストーリーです。
米=ジョン・キューザック、中=チョウ・ユンファ、日=渡辺謙。
その中心で物語のカギを握る女=コン・リー。
という図式で物語は進むのですが、コン・リーは『謎の美女』という風でありながらも、実はあんまり謎っぽくもありませんし、ましてや悪女でもありません。彼女の意図や隠し事も、実は周囲にはなんとなくばれてしまっていたりもします。
劇中でも述べられていますが、結局のところ彼女は「みんなが自分に気があるのではと勘違いする」究極の八方美人で突き進むだけであり、周囲に多大な犠牲を強いながら、物語は最終的にはコン・リーに都合のいいように進んでいきます。
そんな一歩間違えば興ざめなストーリーながらも、「ふざけるな」となるのではなく、「しょうがないなぁ」となんとなく納得しながら観てしまえるのは、ひとえにコン・リーの魅力・存在感によるものなのでしょうか。
豪華スター競演というふうでありながら、実は男三人を従えたコン・リーの映画となっているところに、彼女の実力をかいま見たような気がします。
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