ぼくのエリ 200歳の少女
Miss Mistreated
スウェーデンの映画です。
たまにこうしてハリウッド以外の映画を観ると、ハリウッド映画がいかに整合性高く創られているかがわかります。
孤独なマイノリティ同士の、そしてたぶん人が無垢でいられる最後の時期である12歳同士の。そんな彼らが出会って理解しあって、それぞれが、たとえ相容れない存在であっても世界一大切な存在になっていく様子を描くドラマ。
それと、ホラー映画ならではのショッキングな、ある意味チープな残酷描写。
正直、ホラー描写が足を引っ張っている感じもある。ホラーの割りにはサスペンス感も薄いです。ドラマとしてもホラーとしても、商品として売りにくいバランスの悪さがあります。
それでも、触れたら壊れてしまいそうな、彼らの交流は感動的で心を打つ。それが、ハッピーエンドを望めない関係であるからなおさらです。
過去も語られないし、未来も中途半端かもしれない。多くを観客の想像力にゆだねている。不親切といえば不親切だし、人によってはわけがわからないというかもしれない。
でも、それもいいじゃないですか。想像力は映画を何倍も楽しくするのだから。
サービス満点なのもうれしいけれど、放っておかれるのも、色々考えてワクワクしませんか。
嘘っぽい希望でもなく、リアルな破滅でもなく、ちょっとだけ破滅を先送りしたエンディングだって、作り手としての、二人への精一杯の思いやりのように感じませんか。
『モールス』
ハリウッドのリメイク版が、どんな風にシェイプアップして、何を得て、何を失うのか。
なんだか楽しみです。
#352
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