ちんぷんかん/畠中 恵
「でもなあ、大丈夫なんだよ、若だんな」
諸事、何とかなってゆくものだ
楽しくて、にぎやかで、やさしい。
でも『しゃばけ』シリーズは、それだけでは終わらない。
過ぎ去っていくものと、残されるもの。
哀しみと、あせりと、いらだちと、あきらめと。
若だんなの心をいっぱいにして、なんとか口にしようとして。
そして、最後まで言葉にできなかったもの。
そんな言葉にできないものを、それでも言葉を使って、この作品は伝えてくる。
やさしさの向こう側に透けて見えるいろいろなことを、乗り越えて、やり過ごして、さらにその向こうにある。ほんとうのやさしさ。ほんとうの美しさ。
この作品で描かれるものは、誰の人生にも見いだせるもの。
春は過ぎて、そしてまた春がくる。
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