SUPER8/スーパーエイト
Love Of My Life
『未知との遭遇』から『E.T.』。
この映画は、どう考えても完全にこの流れの直系です。
「スピルバーグが監督だよ」と言われたら、たぶん信じてしまうでしょう。
プロデューサーがたくさん口を出したのでしょうか。それとも監督が、プロデューサーのように撮ってみたのでしょうか。
でも、それはもう、どっちでもいいのです。
スピルバーグも、もう63歳です。自分で監督をするとなると、2年に1本。あと何本撮れるでしょうか。そうでなくても、体力も気力も集中力も、衰えてきていることでしょう。
だから、働き盛りの腕のいい監督の力を借りて、こうして自分の気に入った企画を実現していく。ベイやエイブラムスのファンの人には失礼かも知れないけれど、こうして『スピルバーグ印』の映画を増産していくというやり方は、合理的な方法なのかもしれません。
6月に『SUPER8』を見て、7月に『トランスフォーマー』の新作を観る。スピルバーグが自分で撮っていたら、不可能なスケジュールです。
そして、単なる粗製濫造の増産ではないことは、この『SUPER8』が証明しています。
『未知との遭遇』にも『E.T.』にも引けを取らない。絶品です。
映画のような大衆文化は、その時代の世相を映していくものでしょう。
だから、悪意に満ちた現代においては、この映画は甘すぎるかもしれません。その『善意』が、鼻につくかもしれません。
でも、いいじゃないですか、映画の中くらい。
子どもの頃、こういう映画を観て、映画を好きになりました。そして今、その映画を観る楽しみが、なんとか毎日を過ごしていくための『糧』になっています。楽しいことばかりではない人生の中で、たくさんの、ちょっとした楽しさを、映画は与え続けてくれています。
ちょっと大人びたアリスへの憧れ。
うとましい存在だけれど、いつも自分を心配してくれる親への愛情。
たまにはケンカもするけれど、いつも一緒に過ごす友達との友情。
そして、ただただ故郷へ帰りたい、異星人への共感。
そんなたくさんのありふれた、でも愛すべき気持ちがいっぱいのこの映画。
もう、なにもいうことはない素晴らしさです。ただ観て、笑って、ハラハラして、ちょっと涙すればいいのです。
残された時間はどれくらいあるかわからないけれど、もっともっと、あなたが面白いと思った企画を、一本でも多く届けてもらえたら幸せです。
59/100
#337
| 固定リンク
« さや侍 | トップページ | あぜ道のダンディ »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- マグニフィセント・セブン(2017.02.18)
- ザ・コンサルタント(2017.01.28)
- 本能寺ホテル(2017.01.23)
- アンダーワールド ブラッド・ウォーズ(2017.01.09)
- Year 2016(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント