さや侍
Killing Yourself To Live
「延々と続く、一発芸30連発」
という割りには映画の作りはとてもオーソドックス。最初はバラバラだった登場人物たちが、一つの目的に向かって少しずつ団結を深めていく。この流れに沿ってわかりやすくまとまっています。
ただ、物語の方向性の付け方が、ちょっとうまくいかなかったかもしれないです。
この映画の中では『罰』とされている切腹が、結局のところさや侍にとっては罰ではない(切腹は死に損なった侍にとって『名誉』なのだから)ことから、「罰を逃れるため」という視点からはドラマを盛り上げにくいのです(回りが思う罰が本人にとって罰になっていないので当たり前です)。
だからこの映画としては、「名誉ある死への渇望vs娘への愛情」というさや侍の心の葛藤を中心にドラマをつくっていくのが妥当な方向性なのだと思うのです。『最後の忠臣蔵』と同じですね。
そうなると、あのさや侍のキャラクター造形では無理なのです。娘から父への愛情は伝わりますが、逆は伝わりません。ゆえに自分勝手に死を選び娘を放り出すという、後味の悪さがどうしても残ってしまい、感動を感じにくいエンディングとなってしまいました。
最後に微笑ましいシーンを無理に入れても、手遅れですよねぇ。
ただ、あのエンディングテーマ曲の入れ方には驚きました(笑)。
58/100
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