星守る犬
High Hopes
この映画も『127時間』同様、予告編を観るときれいに流れがわかってしまう。話しの発端から帰着まで。ほぼ完全に、何が起こったのか理解できてしまう。
「本編を観る必要があるのかな?」そんな疑問を感じてしまう予告編だ。
そして本編を観る。なるほど実際の主人公は西田敏行ではないわけか。本編が表なら、予告編は裏だったのだ。
表の物語。若い二人のロードムービー。これがなかなかよい感じ。それだけにあの予告編は本当に残念。あれを観ていなかったら、もっとこの映画を楽しめたろうに。
玉山鉄二。いい俳優だなぁ、としみじみ感じる出来。旅先でちょっとずつ出てくるベテラン達もさすがにいい味出している。総じて出演者は、老いも若きもみんなよい感じ。
ラストは残酷な顛末が延々と描かれる。でもそれはきっと、『死』をファンタジーにしないための方策なのだろう。それは冷酷な現実で、その前では人が『望み』を持つことなんて、『無駄』なことなのだ。
でもこの映画は、そこまで落としておいて、でもそこから『無駄』に立ち上がろうとする『望み』を全肯定する。
まるで夜空の星のような、冷たい優しさで。
56/100
#334
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