八日目の蝉
Listen To Your Heartbeat
事件の『発端』と『解決』は、あっという間に最初に提示される。
その後事件の『経過』と『現在』が、交互に描かれる本編が始まる。
ちょっと不思議な構成。
『経過』では何も明かされない。驚くべき展開も意外な動機もない。
そこではひたすらに、二人が過ごす時間が描かれるだけ。
その『経過』が『現在』にどう影響するのかがわかったとき、本作のテーマが明らかになる。
ひとりぼっちの『蝉』たち。彼女たちの再生を描いたロードムービー。
旅に必要な道連れである、もう一人の『蝉』。だから千草は重要人物だ。
やさしくて、自己中心的で、重たい女。
主演の二人に隠れているけれど、演じた小池栄子が素晴らしい。
どうしても後半は『経過』のクライマックスが中心になり、相対的に『現在』の比重が低下してしまったのが残念だったけれど、これ以上上映時間を伸ばすわけにもいかないので仕方ないでしょう。
それでも、過去の息吹を感じて、生まれ変わる彼女たちの姿は十分に描けていたと思います。
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