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2011/03/13

わさお

Rest In PeaceWso

青森県にある、鰺ヶ沢町。海沿いの小さな町。みんな魚を獲ったり、野菜を作ったりして暮らしている。
そんな静かな町を舞台にしたこの映画には、いくつかのストーリーラインがある。
『わさおとあきらの再会の物語』
『トライアスロンとプロポーズの物語』
『クマ退治の物語』などなど
これらがクライマックスに向けてからみ合い、集約していく。

ところが本作の主人公、薬師丸ひろ子演じるセツ子は、基本的にはどのストーリーの主役ではない。主人公でありながら傍観者なのである。
でもどうだろう。この映画を観て、何が一番印象に残ったろう。
多くの人は、『薬師丸ひろ子』と答えるのではないだろうか。

鰺ヶ沢の風景は、決して風光明媚といえるような華やかさを持ってはいない。
ただひたすら、自然で素朴で、平凡で飾り気がない。
ちょっとした楽しいことがあったら『よかったね』
ちょっとした悲しいことがあったら『かなしいね』
映画の中のセツ子の生き方は、やさしく包み込むような鰺ヶ沢の風景そのものだ。

そろそろ40代も半ばを過ぎた薬師丸ひろ子。
すごく自然に、すごくやさしく、年を取っている。
時に逆らうのではなく、時と一緒にゆっくり歩むように。
だからこの映画の薬師丸ひろ子は、主役というより映画の舞台そのもの。
今の、この年齢の彼女の魅力がそのまま、鰺ヶ沢の自然と一緒に、映画の魅力となっている。

だから監督には申し訳ないけれども、この映画で一番感動的だったのは、クライマックスでのわさおとあきらの再会ではなくて、愛犬を亡くしたセツ子が静かに夜明けを迎えるシーンだったりするのです。

日本にはこういう町が。平凡で何事もない毎日を、静かにゆっくり繰り返している町が、たくさんあることでしょう。
そんなたくさん町に、また静かで当たり前の毎日が、もどって来ますように。

23/100

#300

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タイトルを『ひろこ』にしてもいいくらいです。 中盤以降は薬師丸ひろ子を観ているだけで 涙がこぼれてきました。 演技が上手いとか、オーラがあるとか、 そういうのとはち ... [続きを読む]

受信: 2011/03/23 00:50

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