やさしい嘘と贈り物
山椒は小粒で、ぴりりと辛い
年老いた男と女が出会い、親交を深める。
しかし、男には秘密が、女には思惑があった。
どうしてそうなのかわからないのですが、この映画のストーリー上の秘密は、予告編を観ただけで、いやいやポスターを観ただけでわかってしまうのです。
つまり映画としての魅力の一部を、みすみす放棄してしまっているわけです。
しかし、それでもこの映画を観て感じる、この緊張感はなんだろう。
わかっている暴露、わかっているクライマックスに向けて。
なんともいえないサスペンスを感じさせる。
微笑ましい、やさしい二人の交流。
その裏側に不気味に流れるもの。
シナリオによる、ロジカルなテクニックではなくて。
音響、音楽、光、影、カット割りや編集。
そういった映画ならではの、感覚に訴えるテクニック。
それらによって、シナリオ上の仕掛けを知ってしまった観客にも、こんなにサスペンスを盛り上げられる(なによりサスペンス映画ではないのに、だ)。
そんな映画テクニックの魅力が堪能できる小品です。
21/100
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