ジーン・ワルツ
無いものねだり
キャスティングは難しい。
作家のイマジネーションが産んだキャラクターに対して、人間はあくまでも生身だ。
菅野美穂と田辺誠一。
悪くはない。だけれども何かが足りない。オーラ?ムード?スケール?底知れないキャラクターを演じるには、何かが足りない。彼らはあくまで『普通の』人にしか見えない。
映画の方は、原作のとんがったところ、過激なところを微妙に削り落としている。
一見改悪のようだけれど、そうではないのかもしれない。
一般の人に共感しやすくすること。そしてなにより、キャラクターの人物像を『普通』に近づけることで、『普通』の人が演じても違和感がないようにすること。
そんなスポイルの仕方は、手堅い映画づくりとして評価すべきかも知れない。
もしこの映画を観て興味を持ったのであれば、ぜひ原作も。
凄絶で美しい、『真』の曾根崎理恵がそこにいる。
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