英国王のスピーチ
British Steel
アカデミー賞の季節です。
私たち一般大衆が喜ぶ映画とは微妙に「ずれた」映画が受賞することの多い映画賞。
しかし、映画界最高の権威であることは間違いありません。
本作も作品賞その他の候補となっています。
イギリス映画ですが、この映画は本当にイギリスの魅力満載です。
まずは英国俳優たちの素晴らしさ。二人の男の長期間にわたる友情を描いていますが、主演の二人だけでなく、その妻たちも家族たちも、ちょっと出てくるチャーチルだって。誰もが存在感にあふれ表情豊か。
そして美術。演劇のように演技中心の映画ですが、衣装や背景などの美術にも手抜きはありません。きめ細やかに再現された20世紀初頭のロンドン。室内装飾。ウェストミンスター寺院。どれもみな美しい。
なにより、ウイット。ユーモアともコミカルとも違う。笑うのではなくほくそ笑むような。悲しいときもつらいときも。怒れるときもうれしいときも。いつもそれを忘れない。映画全編をしっとりと潤す。まさにイギリスならでは。
「史実をもとにした英国王室の物語」
でもイメージされる堅苦しさはまるでない。そこにあるのはスケールよりもコンパクトなまとまりのよさで勝負した、上質のドラマ。
思わず微笑んでしまうけれど、なぜか一緒に涙が出てくる。
この間の『スラムドッグ$ミリオネア』ように、普通に面白い映画がちゃんと作品賞を獲ることもあるけれど、本作はどうでしょうか。
まさにイギリス。イギリスの素晴らしさ、美しさ。そしてしなやかな強さ。
アメリカのアカデミー会員のみなさん。
この映画に戴冠する度量がありますか?
19/100
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