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2010/11/04

ネムリバ

Nem 個性がないのが個性的

『ネムリバ』
悩みを抱えて安眠できないお客さんが訪れ、『ソイネスト』と呼ばれる従業員に添い寝をしてもらうことで熟睡する。
提供するサービスは添い寝のみで、セクシャルなサービスは一切なし。
そんな一風変わった風俗店(?)が、埼玉県のご当地映画の舞台です。

予算レベルがかなり低く、それが全体の水準を素直に引き下げてしまっているのかもしれません。

① 母親と生き別れた主人公の葛藤
② 『ネムリバ』を訪れる、お客さんの悩み
③ さまざまな事情があって『ネムリバ』で働く従業員

それぞれのドラマが展開するわけですが、どれもそれほど特殊なものではありません。もちろんありきたりなドラマでも面白い映画にすることはできるわけですが、それには丹念な描写や俳優の力が必要です。
本作でも随所で登場人物の心情の発露があるわけですが、なんだか乗り切れないのは描写不足、設定のみが提示されていて、観客をちゃんと引き込むだけの手間暇や技術が不足しているのでしょう。

つまり、極々普通のドラマを創るにも、それなりにシーン数が必要で、そのためにはロケ地や出演者の頭数、気の利いたセリフや脚本、そして力量のある俳優など、物資や優秀な人材をそろえるためにはそれなりにお金が必要になるということです。

もちろん映画はお金だけではありません。ただ少ない予算を補うためには優れた『アイディア』が必要なのです。突飛で斬新な、ぶっ飛んだ『アイディア』があってこそ低予算で面白い映画が出来るわけです。
単なる積み重ねたコンテナの中だけでつくられた『CUBE』のように。
この映画にはそこまでのアイディアはありません。ただのありふれたドラマです。そしてただのありふれたドラマを創りきるだけの力は、なかったのかもしれません。

そして、なぜ埼玉のご当地映画が『ネムリバ』なのか。

埼玉県民には、あまり郷土意識がないといわれます。郷土の特色や魅力に乏しいともいわれます。
埼玉に住んで東京で働く。埼玉は帰ってきて休むところ。住民にそこに『帰属している』という意識が希薄なのでしょう。
でもいいのです。意識しなくても、帰ってきて、安心して眠れる場所。
ベットタウンという言葉がありますが、埼玉は県自体がベッドゾーン。

埼玉こそが『ネムリバ』なのです。

#262

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