RAILWAYS
Train Kept A Rollin'
会社というのは不思議なところで、その構成員の大部分がその場所を不快だと思っているにもかかわらず、なぜか快適に変えるような試みがとられることもなく、常に不快な状態が保たれている。
だからほんとうに、夢が仕事になり、会社での仕事が楽しかったら、肇が言うように「申し訳ない」気持ちになることだろう。
『転職サクセスストーリー』
『人生折り返しの自分探し物語』
しかしこの映画には、その『先』がちゃんと用意されている。肇の夢が『運転士』であることには必然性がある。
セピア色の出雲の風景でオブラートに包んではいるけれど、それが突きつけてくるものは冷酷だ。
毎日毎日、窓の前を通る。繰り返し繰り返し。
愛する人たちが見守ってくれる窓。医師達が慌ただしく動き回る窓。
そんな窓の前を、決まった速度で、決まった時間に。通り過ぎなければならない。
そんなとき運転席は、もはや『夢舞台』ではなくて、単なる『檻』でしかない。
夢は進んでいく力にはなるけれど、夢だけで進んでいけるわけではない。
一方通行。止まってはいけない。たとえ遅れても、進まなければいけない。一台づつしか走れない。ポイントという『点』で、一瞬交錯している。
だからタイトルは『RAILWAYS』、複数形の。
#252
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