ハート・ロッカー
好みなんじゃないですか…
『爆弾処理班の姿をリアルに描く』
そんなこの映画から伝わるもの。それはなぜか緊張感やスリル、命がけの行動をともにする仲間との友情などではなかった。
戦争とはいえ、銃口を向けるべき敵は目の前にはいない。来る日も来る日も、自分だけの命を危険にさらしながら、爆弾を解体する。毎日毎日。緊張と解放。緊張と解放。やがて緊張も解放も感じなくなる。うんざりする。どうでもよくなる。やめたいけどやめられない。死ぬのは怖いけど、別に死んだっていい。
だからこの映画を見ていると、だんだんどうでもよくなってくる。主人公が助かっても死んでもどうでもよくなってくる。スリルも緊張も感じない。繰り返しの毎日にうんざりしてくる。早く見終わって家に帰りたくなる。
そういう意味では、主人公とのシンクロ率、感情移入度は高いともいえる映画だ。主人公の摩耗した感覚が、閉塞感とうんざり感が観客に伝播してくる。そう、そんな感覚こそが、21世紀の戦場の、いや21世紀の世界そのものを象徴する感覚なのかも知れない。でもそれが、戦争アクションとしても人間ドラマとしても、映画としての楽しさにつながってこないのも確かだ。
そしてそんな、映画として出来が悪いわけではないのに、何ともいえないエンターテインメント性の低さ…
獲っちゃうのかも、しれませんねぇ。えてして、こういうタイプが。
#245
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