ターミネーター4
どんな大人になったかな…
『ジョン・コナーは人類を救う』
シリーズを通じてそう語り続けられてきたジョン・コナー。本作の失敗の原因は、結局のところ、この『ジョン・コナー像』をちゃんと観客に提示できなかったことだろう。
今までは周りがずっとジョンを大切にしてきた。しかし本作ではジョン自らが、自分を『救世主』として大切にしている。その気持ちはわからなくもないが、それが保身を第一に考える姿として感じられてしまうのは大きなマイナス。たとえばカイル・リースに対する関心も、単に自らを生み出すツールに対するものでしかないようで、それはヒーローのあり方としてはあまりによろしくない。
マーカスに対する狭量な態度も大きな減点だ。確かに今まで何度もマシーンに命を狙われてきた。しかしその一方で、マシーンとの友情を育んだのもジョンだったはず。それなのに、ジョンのマーカスに対する態度は、最後まで『モノ』に対するものでしかなかったようだ。どんなにマーカスがジョンのために戦っても、ジョンはマーカスのためには戦わない。
早い話が、大人になったジョン・コナーは、とても人類を救うような『器』には見えなかったということ。シリーズ3作で、多くの人が犠牲を払い、多くの人が希望を託したジョン・コナー。それがこんなじゃ、みなさん草葉の陰で泣いてますよ。
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コメント
こんにちは。
同感です。
今回のジョン・コナーの器には涙が出そうです。
せっかくポスターなどではマーカスと対に出て、2大ヒーローのはずなのに、はるかにマーカスが魅力的でした。
続きが作られるにしても、マーカスがいないとなると心配ですねぇ。いや、まぁ、続編自体も危ういみたいですけど。(^^;;
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。
投稿: 白くじら | 2010/01/03 19:38
マーカス役のサム・ワーシントン。
この映画では、まさにタナボタ的な大成功ですよね。
脇役のはずが、実質の主役ですから。
観客の印象もそうですよ。
そして、「アバター」でもちゃんとチャンスを生かしているし。
これから売れそうですねぇ。
投稿: starless | 2010/01/03 20:33