トランスポーター3 アンリミテッド
ルールには例外がある…
『トランスポーター』は一風変わったアクション映画だった。運び屋という本来は裏方の職業を主役に据え、その主人公像も寡黙でストイック、いつもきちんとスーツ姿という独特なもの。モノを運ぶという行為を物語の中心に置きつつ、その周りにカーアクションと格闘とガンファイトを。アクション映画はどうしても資金が潤沢なハリウッド産が中心となるが、低予算ながらも他にはない要素を取り入れた、ちょっと楽しいアクション映画だった。
そしてヒットしたアクション映画の主人公は、どうしても作品を重ねるごとに超人化してしまう。これはどうにもしかたのないアクション映画の宿命のようなもの。観客の要求は、どんどんエスカレートしていくからだ。
本作のフランク・マーティンは、もはや運転手というよりスーパーマン。敵をなぎ倒し銃弾をかいくぐり、アウディは空を飛ぶ。『1』での『一風変わった』独特の要素がすっかり影を潜め、ごくごく普通のヒーロー型アクション映画になってしまった。
そして普通になってしまえば、どうしても見劣りがしてしまうのは、このクラスのアクション映画では仕方のないところ。早い話が予告編で使い果たしてしまうくらいの数しか、見栄えのするシーンを用意できないのだ。
それでも捨てるには惜しいキャラクター。
一度ハリウッドで撮ってくれないものかなぁ。
#229
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