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2009/05/06

ターミネーター2

T2拡大再生産の達人

『エイリアン』はSFでありながらも、ホラー映画の様な恐ろしさを持った映画だ。狭い宇宙船の中で、出そうで出ないエイリアンの恐怖がその面白さの中心だった。そして『エイリアン2』の監督を引き受けたジェームズ・キャメロンは、出そうで出なかったエイリアンをいっぱい出すことにしたのである。前作で実はあまり観客の目に触れることの無かったエイリアンを『2』では大量に登場させ、たっぷりと見せつけ、さらにそれらと人間の軍隊とで戦争をさせたのだ。

当然『エイリアン』の持ち味だった「恐怖」は薄れたものの、単純にエイリアンをたくさん見られる面白さと、前作にはなかったアクション映画としての面白さ。映画としてのスケールの増加。これらで「恐怖」目減りを十分に補ったのだ。

そしてキャメロンは『ターミネーター2』においても、同様な拡大路線で面白さを増幅させようとしたのだ。『ターミネーター』は、ただひたすらに殺人マシーンが追いかけてくる恐怖を描いた。そこで『2』においては、ターミネーターを2体に増やし、それらを戦わせることにしたのだ。

ターミネーター同士が戦うということは、必然的に片方が人間の仲間となる。ここで思っても見なかった人間とターミネーターの交流を描いてくるところが実にいいアイディアだ。単純に前作の2倍となったアクションの派手さと、少年とターミネーターのコミカルで、ちょっと心温まるやりとり。これらをうまく対比させて、総合的に映画の魅力を増大している。

とんがったところのある、エポックメイキングな作品の続編。それを単純に焼き直しにするのではなく。特徴であるとんがったところをスポイルしながらも、確実に別の要素を付け加えることで面白さを確保し、さらに「大作」として観客の期待に答えるスケールに仕上げる。

「続編とはこうあってほしい」という、まさにお手本のような作品。

#217

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