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2009/04/02

ボーン・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー

Bc 究極の”安楽椅子探偵”

「『ウォッチメイカー』という本が面白いらしいよ」

本も映画も音楽も何もかも、ささいなことが出会いのきっかけ。単行本だしシリーズ第7弾だし、敷居が高すぎる。でもせっかくだから調べてみる。シリーズ第1弾は文庫だな、観てないけれど映画にもなっていたような。

シリアルキラーものは『羊たちの沈黙』以降乱発気味の印象があって、読まなくなって久しいけれど、これは一風変わっている。主人公の元天才鑑識課員リンカーン・ライムは、事故による全身麻痺で首から下は指が一本動くだけ。完全に寝たきりなのである。そんな彼が、ふとしたきっかけで出会った鑑識にはずぶの素人アメリア巡査を手足として、その驚異的な分析力と洞察力で犯人を追いつめるのである。

鑑識がテーマというと、小難しい科学的うんちくが多そうなイメージがあるけれど、それらは最小限で、どちらかというと活劇的な部分が多い。またシリアルキラーものは、「どう捕まえるか」が話の中心で、どちらかというと「誰が犯人か」はあまり重視されないことが多いけれど、本作では最後にサプライズが用意されているのもうれしい。

そしてなによりも、ライムとアメリアの生きる姿が胸をうつ。ライムほど絶望のなかで生きている人はいないけれど、それでも誰もが、文字通り『絶望』のなかで生きている。それでもよどんでしまうのではなくて、それでも前に進むんだ。カマロのアクセルを全開にして。

『走ってさえいれば振り切れる』

出会えてよかった。

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