ターミネーター
『極悪非道』を観たければこれを観ろ
出世作のイメージは、良きにつけ悪きにつけ、スターのその後の路線を決定づけてしまうことが多い。80年代でいえばハリソン・フォードにしろブルース・ウィリスにしろ、同系統の役柄でヒットを産み、そして少しずつマンネリ化していった。
それを考えるとアーノルド・シュワルツェネッガーのパターンは変わっている。彼がブレイクした本作の役柄は、その後の『強く正しいヒーロー』像とは大きく異なる。というより全く正反対だ。映画史上そうないほどの極悪キャラ、それが本作で彼の演じるターミネーターなのだ。
道を歩けば最短距離、邪魔するものは強制排除。ターゲットは即射殺。血も涙もない、まさに『マシーン』である。なにしろシュワルツェネッガーの顔が怖い。ターミネーターは人間社会にスムースに入り込めるように人間の姿をしているはずなのに、終盤出てくる骨組みだけのロボット姿より、シュワルツェネッガーの顔をしている方が怖い。逆効果である。
こんな悪役キャラクターで大人気となったのに、その後は正義の味方路線で大成。悪役を封印したまま、ついにはカリフォルニア州知事である。この映画を観る限り、間違ってもそんなことにはならなそうなのに。彼のキャリアマネージメントって、すごい。
監督のジェームズ・キャメロンも本作が出世作といっていいだろう。しつこいほどのサービス過剰な多段エンディングは、この後しばらく彼のトレードマークとなる。娯楽色の強い、個人的に好きな監督だったんだけれども、『タイタニック』以後はなぜか世捨て人状態…。受賞も考え物である。
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