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2009/02/08

ベンジャミン・バトン 数奇な人生

Bb きっとある

「若返る男」
ちょっとファンタジー系のストーリーを連想させる設定だけれど、映画の内容はいたってシンプル。ある男の、生涯の出会いと別れの物語だ。数奇ではあるけれど、本質的には誰もが経験する人生。では、冒頭の設定は何のためなのか。それは強調のため。逆向きに進むもの同士がすれ違うとき、そのすれ違う早さは2倍になるからだ。

2時間30分を超える長い物語。その中で、たった一つのテーマがひたすらに繰り返される。流れているものは、決して止まらないこと。あらゆる物は、変わり続けていくこと。ラインのように見えても、点の集合であること。だからラインは、容易に崩れていくこと。たとえ80年の人生があったとしても、過去である40年と未来である40年には手出しができないこと。たった1秒の現在だけが、人の自由になるものであること。

単純な人生の仕組み。それを繰り返し繰り返し、ピットのナレーションがやさしく語り続ける。はげますように。なぐさめるように。

一風変わった映像美が売り物のフィンチャー監督。でも本作ではいつもの「ひねっった」映像はお休みだ。特殊メイクも、コンピューターグラフィックスも。全てが美しさのために、絵画のように整った映像のために。人生の残酷な仕組みを、暖かく、美しく。

一人、眠れない夜を過ごすことは、もうこわくないんだ。
じっと、時の過ぎていく音に耳を澄ませて。夜の底に沈んでいることを、楽しめばいいんだ。
この映画を見ると、そんな風に思えるよ。

#201

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