ワールド・オブ・ライズ
これは…極秘の作戦だ
21世紀のスパイにとって、電子機器によるサポートはもはや欠かせないもの。その一方で指摘されるのが、昔ながらの「人的」スパイ能力の低下。いわゆる「諜報員」の量的質的な低下であるらしい。そんなスパイ組織の抱えるいまどきの問題を、「2大スター激突」で描いたのがリドリー・スコット監督の本作である。
「電子的」スパイの代表がCIA局員のホフマン(ラッセル・クロウ)。彼が平穏な日常生活の中から下す指令に基づいて、現場で血を流すのが工作員フェリス(レオナルド・ディカプリオ)。そして「2大スター」ではないものの、彼ら以上の存在感で物語のキーとなるのが「人的」スパイの代表、ヨルダン情報局の局長サラーム(マーク・ストロング)。
この三人を中心に回る物語は、「嘘」が強調される宣伝文句の割にはシンプルでちょっと物足りない。でも彼らの演技自体が映画を引っ張るので、なかなか楽しく見られてしまう。スコット監督の一年前の2大スター激突映画「アメリカン・ギャングスター」と比べると、ちゃんと共演している分だけ、こちらの方がかなり面白い。
そしてハードなアクションシーンが多い割に映像が美しいのも、さすがはリドリー・スコット。砂漠を飛び交う戦闘ヘリなど、緊迫したシーンなのについつい見とれてしまう。
そしてこの映画の示す教訓。それを寿司を食べるホフマンのカットで締めるところなど、ちょっと憎い演出だ。
やはりスパイはスマートでなくちゃね。
#196
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