ライラの冒険 黄金の羅針盤
謎も秘密も…全てはダストにつながる
最近乱発気味の「小説発ファンタジーシリーズ」。本作もその流れに乗るものであるが、その世界観は一風変わっている。エルフやオークやドラゴンや。いわゆる「古典的」ファンタジーに登場する設定は一切登場せず、現在の私たちの世界と微妙にずれた「パラレルワールド」を舞台としている。そこには剣も魔法も怪物も存在しない。ただ魂が動物の形をしていたり、クマがしゃべったりするだけで、基本原理は私たちの世界とそれほど(?)大きな差異はないのだ。
かなりのCG処理が施されているけれど、リアルさよりも「絵」としてのイメージを優先しているようで、まるで絵本の中の世界のように、統一感ある美しいグラフィックが印象的。主要キャラクター達も原作のイメージにぴったりで、原作が好きな人ならわくわくしながら楽しめる。
原作ものの大きな課題である脚色も絶妙。第1作目が避けて通れない人物紹介と世界観の説明をこなしつつ、端折るところは端折る。エピソードの細部を微妙に変えたり、順番を前後させたり。それらの変更が、映画のわかりやすさや盛り上がりにちゃんと貢献している。
しかし唯一、大いに疑問なのが「区切り」方だ。
奇しくも同じニューライン・シネマのファンタジーシリーズ「ロード・オブ・ザ・リング」。「旅の仲間」の区切りは絶品だった。原作が「離散」で終わるところを、映画では「二つの塔」の冒頭を取り込んだ。「戦闘と仲間の死」というドラマを「旅の仲間」の最後に配置するとともに、主人公の誘拐とその捜索という強いベクトルを「二つの塔」の冒頭に設定した。原作をしのぐ見事な区切り方だった。
本作はどうだろう。たしかにわかる気はする。仲間と共に目の前の困難に立ち向かおうとするライラ。そんな明るさ、前向きさ、希望をエンディングに求めたのだろう。でも原作のエンディングは感動的だった。アスリエル卿とコールター夫人の運命とお互いへの想い。仲間を失いひとりぼっちになり、それでも次の一歩を踏み出そうとするライラの勇気。同じ中途半端な区切りであるならば、安易な「希望」に流されずにちゃんと「悲しみ」と乗り越える「勇気」を描いて欲しかった。
なにより、次回作(もしあるとして…)の冒頭にいきなりあんなことが起こっていいのだろうか。そっちが心配。
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コメント
こんばんは。
次回作の冒頭に何が起こるんだろう?
心配な反面、気になってきました。
幸いに、映画もまあまあオモシロかったし、
原作を読んでみようかという気になりかけてます。
投稿: えい | 2008/02/24 22:15
コメントありがとうございます
アメリカでの成績を見ると、そもそも次回作があるのかどうかが心配です。
せめて日本ではそこそこヒットして欲しいものです…
松竹とギャガもたくさんお金を使っているようですし
投稿: starless | 2008/02/25 22:43
こんにちは、starlessさん。
世界観に関してはダイモンだけでなく、エネルギーなどにしても私たちには未知のものが使われていたようですね。
私は原作を読んでいなかったので、魔女との恋、親子の問題などは目で観る情報から推測するしかありませんでしたか、両方とも気になっています。ラストではもう少し感動できると思っていたのですが、残念ながらあそこで終わるとは思ってもいませんでした。(^^;
どうやら、あの後でとんでもないことが起るようで…とても気になっています。向こうではコケたようですが、2は作って欲しいですね
トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。
投稿: 白くじら | 2008/03/02 14:45
白くじらさん コメントありがとうございます。
テクノロジー。
確かに違っていますね。ライラの世界では電気や内燃機関ではなく、別のものが使われているようです。
最近小説の第二部を読んでいるのですが、ライラの世界では映画がないようで、別の世界で初めて映画を見たライラが、非常に興奮しているシーンがありました。
本国アメリカではさんざんだったものの、とりあえずアメリカ以外ではかなりヒットしたようで、200億円近い製作費はとりあえず回収したみたいですね。
よかったよかった。
投稿: starless | 2008/03/02 18:44