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2008/01/14

007/ワールド・イズ・ノット・イナフ

Wine シリーズ第19作 1999年

【007】ピアース・ブロスナン
【 敵 】エレクトラ(石油王の娘)、レナード(テロリスト)
【主な舞台】ウズベキスタン~カザフスタン~イスタンブール

本作の目玉は、まちがいなくボンドガールに起用されたソフィー・マルソーだろう。そして有名俳優・女優をキャスティングした場合に起こりがちなのが「それなりの役を用意する」ということ。「映画に花を添える的な役柄では失礼だろう」と思ったか思わなかったか、今回ソフィーに用意されたのがボス級の悪役。それも不幸な過去や父親との確執をバックグラウンドとした、陰影のある人物として設定されている。

結果として、これは完全に裏目に出たと思う。もちろん007に人間ドラマがあってもいいとは思うが、少なくとも敵陣営にそんなドラマは必要ない。基本的に人間ドラマ的背景を持たないボンドと戦う相手が、思いっきり人間ドラマを背負っていてはボンドの存在が浮いてしまう。誘拐事件により人生をねじ曲げられたエレクトラや、エレクトラを利用しながらも心を奪われ利用されてしまうレナード。こんな人たちを殺しても、なんのカタルシスもありません。

ブロフェルドに不幸な生い立ちがあったり病気の家族がいたりしても、映画の盛り上がりには何の役にも立たないわけですよ。そう考えると、有名俳優なのに単なる誇大妄想狂を演じたクリストファー・ウォーケンは偉かったな、と思ったりも。

今回は珍しく中央アジアが舞台となっていますが、もともとあのあたりには何もないので、それほど異国情緒は味わえません。それよりも、MI6本部の目の前で行われるテムズ川でのチェイスシーンの方が印象的でしょうか。

ボンド映画なのに、何となくボンドが居心地が悪そう。シリーズ末期を感じさせる一本です。

#167

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007シリーズ第19作、ブロスナン3作目である。 スパイものとしては前作の「トゥモロー・ネバー・ダイ」のが好きだけど、これも悪くはない。 今回は敵役が締まっている。007にありがちな「巨悪」は出てこないので、そういう印象を持つのかな。 冒頭の女狙撃手がかっこいい。自信に満ちあふれたエレクトラ(ソフィー・マルソー)も、表情はイカれているのに言動はイカれてないレナード(ロバート・カーライル)もなかなかである。 惜しむらくは状況とか作戦よりアクションとニンゲンドラマに重きがおかれてしまっていて、せっかくの... [続きを読む]

受信: 2008/01/15 09:40

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