ジェシー・ジェームズの暗殺
卑怯者たちの物語
信頼も愛も。それは他者に対して一方的に与えるもの。一切の保証も担保もなく、無償で無条件で。そもそも相手からの見返りは期待しないもの。だから幸運にもお互いが、相手にそれを与えあったならば、それは強力無比な絆となる。
しかし勇気なき者たちは、自分の魂を無償で差し出すことはできない。欲深き者たちは、自分から先に与えることができない。なぜならば裏切られることが怖いから。なぜならば見返りがなかったら許せないから。
そんな弱き者たちは、群れることは出来ても、結びつくことはできない。彼らには頼ることはできても、決して信じることはできないから。お互いに信頼することなく、利用しあい、騙しあい。侮蔑と妬みと。求めるばかりで与えることはなく。最後はお互いの背中を撃ち合う。
そしてこの映画は。
そんな救いようのない、卑怯で醜い男たちを、とても美しい映像と音楽を駆使して、ふさわしくないほど叙情的に、悲しいほど透明に描いている。
#168
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