インベージョン
決して、眠ってはいけない
「彼ら」は何とかしなければならないと思った
自らの感情のおもむくままに相互に傷つけあう「人間」を、放っておけば殺し合ってしまう「人間」を守らなければならないと思った。それはより上位な存在である「彼ら」の義務であり、より下位な存在へ向けた当然の慈悲だった。
「彼ら」のシステムは完璧だった
冷静で落ち着いた、理性に支配された世界。階級も差別も、憎しみも妬みもない。全ての要素は均質であり、全てが同化されている。個は全体であり、全体が個である。戦争も殺し合いもない、全ての争いは根絶されている。究極まで効率化されたシステム。
しかし「彼ら」は見誤った
感情こそが「人間」の本質であることを。感情こそが「人間」を人間たらしめているものであることを。各々が自分勝手で不合理な感情に支配され、各々がそれぞれにぶつかり合い、傷ついたり壊れたりする。そんな不完全さ、不効率さそのものが「人間」であることを。そして合理は不合理の前では、理性は感情の前では、容易に破壊されてしまうものであることを。
そして「人間」だって知っている
「人間」が進化していくためには理性が必要であることを。学問は、科学は、理性にあこがれ続けてきた結果として生まれたものであることを。そして、それでも人間にとって感情こそが、その存在のコアであることを。あらゆる理性は、そのコアの上に立脚すべきであることを。
相反するものを共存させる、その困難な道のりを歩まなければならないことを。
#162
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コメント
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投稿: 日本インターネット映画大賞 | 2007/12/22 23:49