プラネット・テラー in グラインドハウス

後半戦、ロバート・ロドリゲス監督登場

「駅前に出来た、新しいラーメン屋行った？」

「『たらん亭』だっけ」

「いや、もう一方の店」

「ああ『ろどり軒』のこと。このあいだ行ったよ」

「どうだった？」

「やたらサービスがいいんだよね。まず席に座るとみそ汁のお椀くらいの大きさのラーメンが出てくるんだ。それを食べ終わる頃にメインのラーメンが出てくる」

「注文取らないの？」

「一種類しかないんだよ、とんこつラーメン３００円。味はギトギトの脂ぎったとんこつ。いかにも夜食べたら胃にもたれそうなんだけど、つい食べちゃうような感じのやつ。でも麺が５玉も入ってるんだ」

「５玉って…多すぎ」

「必死に食べてやっと半分くらいまで来たかなと思うと、オヤジがニヤニヤ笑いながら替え玉持ってくるんだよ。替え玉無料なんだけど、もういいっていうまで勝手にでてくるんだ。食べ終わってないのに」

「途中で飽きないの？」

「ところがね、入れ放題の薬味がたくさんあるんだ。飽きてくると次々にそれを入れるわけ。にんにく、紅しょうが、高菜、ごま等の定番から、豆板醤、ラー油、唐辛子等の辛子系。他にはチリソース、マスタード、カレー粉、わさび。なんだかわけわかんないんだけど、とりあえず入れて食べちゃう」

「薬味っていうより、ただの香辛料だろそれ。刺激物だ。なんか身体に悪そうだな」

「でも『身体に悪いものほどうまい』っていうだろ。とにかく『ラーメン食ったな』って気になることは間違いないよ。っていうか食い過ぎだね。食べ終わった頃には『とんこつなんて見るのもイヤだ』って思うんだけど、でもしばらくするとまた行ってみたくなるんだよね。で、レジでお金を払うとお土産がもらえるんだ。とんこつラーメン１２食分」

「よくやるよ」

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