ユージュアル・サスペクツ
カイザー・ソゼ!
「犯罪者集団」といえば最近では「オーシャンズ」が思い出されますが、こちらは本物の犯罪者集団。嘘つきで、裏切り者で、人殺し。そんなヤバイ奴ら5人組を軸に、入り組んだ物語が展開します。
冒頭でいきなり見せつけられるクライマックス・シーン。その意味を模索しながら現代と過去を複雑に行き来しながらストーリーは進みます。トリッキーなようでいて観客を混乱させるほどではない絶妙さはさすがにアカデミー脚本賞。特にカイザー・ソゼの存在がクローズアップされた中盤以降の盛り上がりはさすが。
ラストは読み切れないほどではないかもしれないが、それを必要以上に読みにくくしているのは、出演者たちの「ワルっぷり」の素晴らしさでしょう。犯罪者5人組はもとより、刑事たちも含めた出演者全員がいかにも平気で嘘をつきそうな連中ばかり。この「誰も信用ならない」感じが必要以上に観る者に疑心暗鬼を生じさせ、効果的な目くらましとなっているような気がします。
最後の「変身」シーンの演出も見事。ただ歩いているだけなんだけど。
派手なアクションシーンなどもなく映画的な見せ場は少ないけれど、俳優たちの演技による「劇」と、演出・編集など映画づくりの「技」との連携で、とても楽しい作品に仕上がっています。
サスペンス好きなら一見の価値ある映画でしょう。
#145
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