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2007/03/25

デジャヴ

Deja 超大物プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー製作のアクション・サスペンス。

「すでに起こった事件を、あなたは防げるか?全ての答えは【デジャヴ】の中に」

このコピーから誰もが想像するのは、「トゥルー・コーリング」のような超自然スリラー。まさかSFだと思って劇場に足を運んだ人はいなかったでしょう。本作が大いに意表をつく作品だったのは間違いありません。

本作は大きく分けて3つのパートに分かれます。1部は警察映画。2部は未来警察の捜査を描いた映画。3部がタイムトラベル映画。徐々にジャンルがずれてくる感覚がなんともいえず面白いです。

一番良かったのは2部でしょうか。まったくリアリティーの感じられない「過去をのぞける望遠鏡」というとんでも無い道具を、見事なCGで描ききっています。またこの望遠鏡の可視範囲には制限があり、その外側は有効距離の短い「ゴーグル」を持って出かけていかないと見ることができない、というアイディアが秀逸。これを利用した「時間を超えた間接カーチェイス」を見るだけでも価値はあると思います。

3部は「トゥルー・コーリング」そのもののタイムトラベル活劇。蛇足のような気もしますが、観客としてはここまで「やりすぎて」しまうのを期待していたのも事実。望遠鏡は一方通行で帰ることはできませんから、1人に戻るには本作のオチは合理的な結末といえるかも知れません。

最後に本作のタイトルにもなっている「デジャヴ」について。事件解決にどう「デジャヴ」が役にたったのでしょうか。本作における「デジャヴ」とは何なのでしょうか。

ダグがどこで「デジャヴ」を感じたのかが実ははっきりしない部分もあるのですが、主なところでは「クレアに会ったことがある」と「クレアの部屋に見覚えがある」でしょうか。

ダグが「デジャヴ」を感じた時点では、彼はクレアに会っていませんし、クレアの部屋にも行ったことはありませんでした。それでも「会ったことがある」「行ったことがある」と感じる理由は、「これから会ったことになる」「これから行ったことになる」つまりこれから「過去が変わる」から。つまり「デジャヴ」はやがて過去が変わる前兆なのです。

このあとダグは「デジャヴ」を感じた時点より過去に戻り、クレアに会い、クレアの部屋に行きます。その結果、ダグは「デジャヴ」を感じた時点では「クレアに会っていた」「クレアの部屋に行っていた」ことになるわけです。

ダグが望遠鏡から過去へ向かうという発想(それが上手くいくという確信)を持ったのは、「デジャヴ」を感じた理由に思い至ったからだったのではないでしょうか。

みなさんは「デジャヴ」を感じたことがありますか。あるならば、将来タイムマシンで過去にもどることになるのかもしれませんね。

#132

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コメント

こんばんは。

面白かったです。
後になって、ああでもないこうでもないと考えられる作品というのは好きですが、いかんせん劇場で何度も観るわけにもいかないので、謎の確認はDVDが出てからですね。(T T)

私も最初はサスペンスかなって思っていたのですが、デンゼル・ワシントンとタイムマシンというSF的要素が入っているということで観に行くことにしました。

実際デジャヴが、事件解決に役に立ったのかというところは、なかったようですね。(^^;
「時間を超えた間接カーチェイス」はよかったです。古今まれに見ない画期的演出だったと思います。

デジャヴってたまに感じることがあるんですよね。
うーん、すでに一度戻っているのでしょうか。(- -;

トラックバックさせていただきました。

投稿: 白くじら | 2007/04/01 22:56

こんばんは、コメントありがとうございます。

私はタイムマシンのことは何も知らずに映画館に行ったので、映画を観ながら笑ってしまいました、「そうくるか!」って。

カーチェイスでは、ただ周囲の一般人を巻き込んでいるだけなのにド派手なクラッシュシーンで無理矢理盛り上げていましたね。「あーブラッカイマー製作だな」と思いました。

投稿: starless | 2007/04/02 20:54

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