007/リビング・デイライツ
シリーズ第15作 1987年
【007】ティモシー・ダルトン
【 敵 】コスコフ(ソビエト高官) ウィティカー(武器商人)
【主な舞台】チェコスロバキア~タンジール~アフガニスタン
いよいよ4代目ジェームズ・ボンド、ティモシー・ダルトンの登場です。第一印象はとにかく若い。40歳くらいだからそんなに若いわけではないのですが、60歳近いムーアからの交代だけに、やけに若く感じます。
精悍なコネリーと優男ムーアの遺伝子を引き継ぎ、ダルトンは冷たさを秘めながらもジェントルなイメージで新たなボンド像を打ち出しています。彼のもつ英国的な「上品さ」とその若さから醸し出される「フレッシュさ」が組み合わさり、前任者たちとは全く異なるにも関わらず、過去のボンドとの連続性を自然に感じ取れる絶妙なキャラクターとなっています。
「若き日のジェームズ・ボンドって、きっとこんなだったろうな」と素直に感じられるボンド像です。グレン監督は当初本作を「若き日のジェームズ・ボンドの物語」として製作しようとしていたようです(最終的には製作のブロッコリが反対したようですが)。もし実現していたらどんなものになっていたでしょうか。
また本作の物語はソビエト高官の亡命を巡る比較的シリアスなスパイストーリーとしてまとめられており、そのあたりもダルトンのボンド像とマッチしていたように思われます。突飛な新兵器とハードなアクションとのバランスも良かったと思います。
トータルとしてみると、主役の交代も比較的違和感なく、新しいボンドも過去との連続性を保ちながらも新鮮さを感じさせ、ストーリーも新しい主役の雰囲気にふさわしいという、実に見事なパッケージングだったのではないでしょうか。
個人的にはダルトン時代が2作という短命に終わってしまったのがなんとも残念でなりません。クルーザーの屋根から身軽に降り立ち、目の前の美女に「初」名乗りをあげるダルトン・ボンド。忘れられない名シーンです。
#124
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コメント
私はダルトンのボンドが一番好きなのです(コネリーは別格として)
ほんと、2作でおしまいだったのが口惜しいです~。
投稿: rukkia | 2007/01/23 10:01
個人的には、ちょうど冷戦終了時期で
一気にスパイがリアリティーを失ってしまった時期だったのが短命の理由かな、
と思っているのですがねぇ。
投稿: starless | 2007/01/23 21:49