ナイト・ウォッチ
ロシア発ダークファンタジー登場
「ロシアのマトリックス」なる宣伝の仕方もされていましたが、どちらかというと「ロシアのコンスタンティン」といえる映画。基本的な世界設定が非常に似ています。原作小説もそうでしたが全編から漂うロシアっぽさが特徴的です。登場人物たちもどことなく所帯じみた生活に疲れた感じが満ちあふれています。
DVDは全編ロシア語音声で、下に英語字幕、右に日本語字幕が入ります。そしてこの英語の字幕がセリフの強弱などによって字体や大きさが変化するのがなんとも独創的。鬱陶しいともいえますが一見の価値はあるかも知れません。字幕を演出に使うなんて。
小説版は光と闇両陣営の異種たちの人間模様が豊富に描写されており、ほのかな恋愛感情なども盛り込みながら、さながら「青春小説」的な面白さが結構感じられたのですが、映画化に当たってはその辺りがバッサリ削除されてしまったのがちょっと残念。そのかわりに導入されたのが「アントンとイゴールは親子」という設定なのですが、本作までの段階ではそれが効果的だったかどうかはわかりませんでした。
また残念だったのはその視覚効果でしょうか。斬新は斬新かも知れませんが、ナイト・ウォッチの世界を十分に伝えられていたかどうかは疑問が残ります。特に「異界」の描写は、あれでは何のことかほとんどの人には分からないでしょう。「異界」に関しては「コンスタンティン」の描写の方が遙かに優れていたと思います。
両陣営のボスにしろ、ふくろうのオリガにしろ、魅力的なはずのキャラクター達を十分に生かし切れていなかった点も大きなマイナスです。まぁ今回は第1作ですから、この辺りは今後に期待しましょう。
映画はともかく、私が一番心配なのは小説の続きが全然刊行される様子がないことです。大丈夫なのでしょうか、バジリコさん(すごい会社の名前ですね)。
#125
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コメント
ああ、確かに「マトリックス」というより「コンスタンティン」ですね。
ご覧になったのはセル版ですか?
レンタルDVDでは、あのぐにーっとなる英語字幕がでなかったのですよ。
なぜ〜。
投稿: rukkia | 2007/01/24 21:52
ばっちりセル版2枚組でございます。
>字幕
それは変ですねぇ。DVDには注意書きが入っていて、それによると英語字幕は「焼き付けている」ので消せないとなっています。
試してみると、ロシア語音声、英語音声、日本語音声のいずれにおいても英語字幕は消せませんでした。
レンタル版は異なる仕様?
投稿: starless | 2007/01/25 21:05