« 007/黄金銃を持つ男 | トップページ | ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT »

2006/09/10

X-MEN ファイナル ディシジョン

X3 3作分の見せ場が凝縮、壮絶な最後の戦い。

あまりに説明的な「1」。話が動き出しつつもどことなく中途半端だった「2」。本シリーズはここまで、おもしろいながらも物足りない内容だった。それもそのはず本シリーズは、「1」「2」「3」というよりは「前編」「中編」「後編」、3作を通してひとつの物語を描いたものであり、その中の一部を取り出して1本の映画としてみるのは難しい構成だった。

それは本作「3」でも同様。冒頭から「一見さんお断り」の様相で物語は暴走する。本作で初めて本シリーズを見る人のことなど一切考慮されてはいない。その反面、忠実なシリーズのファンにとっては、待ちに待った至福の時が訪れる。誰もが「X-MEN」に望んだであろう「サイキック・ウォーズ」がいよいよ開幕するのである。

X-MEN側、ブラザーフッド側ともに多種多様なミュータントの手駒が揃いアクションの充実度はシリーズ最高。300分を超える超大作の後半にふさわしい見せ場の連続である。集団対集団ということでコンビネーション技なども見られ、ミュータントの活躍ぶりは見ていてとても楽しい。「1」「2」で感じた物足りなさ、その足りなかった部分が全て「3」に凝縮されているわけで、この充実ぶりはある意味当然のことかも知れない。

そんな本作であるが、大きな不満もある。3作を費やして語ってきたこの戦い。その完結編である本作には、壮大なストーリーが完結したカタルシス、「終わった感」が非常に希薄なのだ。

登場人物が増えた関係で、一人一人を描く時間が減ったのはやむを得ない。しかし主要な人物の扱いがあまりにもぞんざいではないだろうか。前作まで手薄なブラザーフッドの中心となって活躍していたミスティーク。「女は怖いね」彼女の最後はあんな扱いで良かったのだろうか。X-MEN側ではサイクロップス。観客がよくわからないうちに死んでいたとは、なんとも情けない。

ブラザーフッド側の2大強敵、マグニートーとジーン。彼らとの戦いも達成感が薄い。強大な力をもつミュータントに対して、人間がキュアを使うのはわかる。しかし力を持つミュータント同士の戦いにおいて、ミュータントの尊厳を無視した究極兵器を使う。合理的かも知れないが、映画的にはまったく面白くない。1対1でダメなら2対1でも3対1でも。たとえ主要メンバーが倒されたとしても力と力で戦って欲しかった。サイクロップスをあんな扱いにするなら、ここで華々しく散らせてあげた方がよかったのでは。

ジーンとの戦いは、それ単体で見ればよかったと思う。破壊力対再生力の戦い、見応えはあった。でもその直前のマグニートー戦が全てをぶち壊している。ウルヴァリンの最後の選択は「あれしかなかった」のか。でも、殺すくらいの気持ちがあるならキュア使えば?とりあえず生き残るし、たぶん力がなくなればフェニックスも消える。そんな思いが頭をよぎってしまう。

またエンドクレジット前後のシークエンス。色気を出したい気持ちはわかるが、これも中途半端感をかもし出す。全然「終わった感」を味わえません。

私的に「シスの復讐」が感動的だったのは、その強力な「終わった感」(あの映画の場合は「つながった感」だったかもしれない)だった。長大なシリーズに長い時間をかけてつき合い、最後の最後で味わった強いカタルシスが感動を誘ったのだろう。

シリーズのあらゆる物を最大限に詰め込んだ本作だが、それだけが足りなかった。なんとも残念です。

X-MEN ファイナル ディシジョン@映画生活

#104

|

« 007/黄金銃を持つ男 | トップページ | ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

あー、確かに「終わった感」、なかったですねぇ。
「女は怖い」は笑ったけどもしかして作戦だったのでしょうか…。
最後、マグニートの向かいの椅子に現れるかと期待しちゃいました。

投稿: rukkia | 2006/09/10 21:39

>マグニートの向かいの椅子

おぉ、それいいですねぇ。
マグニートを見つめる瞳の色がうっすら変わると。

投稿: starless | 2006/09/11 20:51

TBどうもでした。
終わってないですよね(笑
ていうか終わってないって宣言してるようなラストでした。
とりあえず、三年以内にマグニートが主役の悪のミュータント軍団のスピンオフ映画が作られるに一票入れときます。

投稿: ノラネコ | 2006/09/12 00:45

コメントありがとうございます。

スピンオフって、コミックや小説はともかく、映画では意外と見かけませんし、成功例ってほとんどありませんよね。そういう意味では楽しみですね。

投稿: starless | 2006/09/12 19:51

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104162/11826865

この記事へのトラックバック一覧です: X-MEN ファイナル ディシジョン:

» X-MEN ファイナルディシジョン・・・・・評価額1500円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
マーベル社の人気コミックを原作とする、社会派SFアクションシリーズ第3弾。 1、2作目を手がけたブライアン・シンガー監督が、ライバルDCコミックの「スーパーマン・リターンズ」に浮気してしまったので、監督は「ラッシ... [続きを読む]

受信: 2006/09/12 00:36

» 『XーMEN ファイナル デシジョン』 [ラムの大通り]
----タイトルに“ファイナル”と付いている。 と言うことは、これで最後と言うこと? 「おっ、いきなり核心を突いてきたね。 この第3作では、 『これで終わりじゃないとすれば、 あとはスピンオフか過去に遡るかしかない』と、 断言したくなるほどの大胆な展開を見せる。 少なくともエンドクレジットまではね」 ----えっ?またまたオマケが付いているの? 「あれをオマケと言っていいのかどうか�... [続きを読む]

受信: 2006/09/12 00:42

» X-MEN/ファイナル・ディシジョン [Akira's VOICE]
終わるようで終わらない完結編もどき。 まだまだ続いてほしい! [続きを読む]

受信: 2006/09/12 17:19

» X-MEN: The Last Stand(2006,U.S.) [The Final Frontier]
ブライアン・シンガー監督からブレッド・ランナー監督に変わった3作目。Final Decisionって、邦題だったのね… X-MEN: The Last StandプロフェッサーX(Patrick Stewart)の右腕だったジーン(Famke Janssen)の死により、いまだその動揺から立ち直れずにいるX-MEN。そんな..... [続きを読む]

受信: 2006/09/12 18:21

» 映画「X-MEN:ファイナル ディシジョン」 [しょうちゃんの映画ブログ]
2006年48本目の劇場鑑賞です。公開当日劇場で観ました。「ラッシュ・アワー」「レッド・ドラゴン」のブレット・ラトナー監督作品。並はずれた特殊能力を有するミュータント集団“X-MEN”の活躍を描くマーヴェル・コミック原作の大ヒット・シリーズ第3弾にして最終章と銘打...... [続きを読む]

受信: 2006/09/13 11:34

» 【劇場鑑賞95】X-MEN:ファイナル ディシジョン(X-MEN:THE LAST STAND) [ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!!]
世界は、選択で創られ、 選択で滅ぶかもしれない。 [続きを読む]

受信: 2006/09/13 23:47

» 『X-MEN:ファイナル ディシジョン』 [ねこのひたい〜絵日記室]
20年前のチャールズとマグニート。 若作りは、GCか?特殊メイクか? [続きを読む]

受信: 2006/09/15 16:36

« 007/黄金銃を持つ男 | トップページ | ワイルド・スピード×3 TOKYO DRIFT »