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2006/06/03

ポセイドン・アドベンチャー

Pa 1972年製作

大みそかの夜、華客船ポセイドン号は巨大な横波を受けて転覆。生き残ったわずかな乗客たちの脱出行が始まる。

「タワーリング・インフェルノ」と並び称されるパニック映画の名作。時代が時代だけに派手な特殊撮影は期待できない。巨大客船の転覆という設定ではあるが、スペクタクルなシーンは意外と少ない。

それを補うのは俳優たちにより丁寧に演じられるドラマ部分だろう。転覆してから脱出が始まるまでの間などは、映画のテンポを落としかねないほど長いドラマシーンが続く。しかし前半で十分にキャラクター設定に時間をかけることで、観客は登場人物たちの仲間となり、彼らの安否が気になってくるのだ。

特に印象的だったのが、マニーとベルの老夫婦だ。二人の静かな仲睦まじさや、ベルの体型へのコンプレックスを描いておいたことが、しっかり後半につながっている。ベルが牧師を助けるシーンなどは、冷静に見ればただ水路を泳いでいるだけなのだが、あれだけハラハラ感動できるのは前半が効いているから。またベル亡き後、一人残ったマニーが生きるためにまた進み出すシーンなども、彼らの愛情の深さが描けていたから感動的なのだ。

現在のような高度な映像表現が不可能だった時代に創られた本作の映像は、それだけを見てしまえば評価すべき点は少ないかも知れない。しかし本作は俳優の演技と巧みな脚本を武器に、観客に「目で見える以上の」スリルとサスペンス、そして感動を与えている。映画は映像で創られるもの。でも映像以外の部分を磨くことでも映画を上質に仕上げることができる。なまじ映像に頼れなかっただけに、昔のテクニックはすごかったのかもしれない。

本作の製作は、のちに「タワーリング・インフェルノ」の製作も手がけるアーウィン・アレン。91年に亡くなったアーウィンの妻は、「タワーリング・インフェルノ」に出演していた女優のシーラ・アレン(シーラ・マシューズ)である。

彼女の製作総指揮により、本作は30数年の時を超えて蘇ることとなった。

その名も「ポセイドン」。

#087

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