007/ダイヤモンドは永遠に
シリーズ第7作 1971年
【007】 ショーン・コネリー
【 敵 】 ブロフェルド(スペクターNo.1)
【主な舞台】 ラスベガス
興行的に失敗だったのかどうかは解りませんが前作の新ボンド、ジョージ・レーゼンビーは1作で降板。破格の待遇でショーン・コネリーが復帰することとなりました。
当初はアメリカ人俳優を主演に据えハリウッドで製作される予定だった本作は、コネリーの復帰が決まると共に脚本が変更されたようですが、それでも色濃く「アメリカ色」が残っています。
ブリティッシュ・ロックとアメリカン・ロック。ロックが好きな方なら分かっていただけると思いますが、この両者には口では言えない大きな違いがあります。どちらがいいという訳ではありませんが、それぞれに独自の「肌触り」とでもいったものがあり、それが大きな魅力ともなっているのです。
007はイギリスの映画です。イギリスで製作され、イギリス人を主役とし、もちろん007は女王陛下のために戦います。そんな「made in UK」の魅力あふれるシリーズに、あまりに大量につぎ込まれたアメリカ的要素。結果として本作は不人気な前作をも下回る、ここまでの7作中でもっとも出来の悪いものになってしまったようです。
葬儀屋でのピンチ、月面車でのチェイス、パイプラインからの脱出、襲いかかる2人の女性刺客、どれもが中途半端で緊張感に欠けており、いままでになかった真新しいシーンという以外の意味は感じられません。またブロフェルドはともかく、敵役の2人組にまったく魅力が欠けており、見ていて情けなくなります。
最後の石油プラント攻撃シーンでやや盛り返すものの、ボンドの行動もブロフェルドの最期もなんとも行き当たりばったり。
これが「ゴールドフィンガー」と同じガイ・ハミルトン監督の作品なのですから、映画とは不思議なものですね。主題歌だけはゴールドフィンガー並でしたが。
次回はいよいよロジャー・ムーア登場。監督はしばらくガイ・ハミルトンが続きます(泣)。
#084
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コメント
「2度死ぬ」は笑えたのですが、これはショーン面汚しっていう感じがしてしまいます…。
ほんと、007シリーズってスタッフor
キャストで出来不出来を判断できませんねぇ。
投稿: rukkia | 2006/05/20 21:48
>出来不出来
結局は、製作者側の「ボンドらしくしよう」という気持ち一つにかかっているような気もしますね。
「女王陛下」はみんながかなりの危機感を持って創ったわけですが、本作は「ショーンが戻ったからもう安心」てな感じだったのでしょうか。
投稿: starless | 2006/05/21 09:46
こんにちは。
これは…同感です。
かなり酷いストーリーでしたねぇ。月面車も火葬もパイプも…一体どうなるんだろうと思っている期待感を見事に裏切ってくれました。
この作品でも興行的には良かったのですから、ショーン・コネリーの影響は大きかったのでしょうね。
トラックバックさせていただきました。
投稿: 白くじら | 2010/08/16 17:34
コメントありがとうございます。
そうなんですよ、ヒットしたんですよね…
ほんとに凄かったんですよ、ショーン・コネリー人気。
こればっかりはリアルタイムに実感できていないので分からないわけですが。
投稿: starless | 2010/09/11 20:21