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2006/04/23

サウンド・オブ・サンダー

Sot 「2055年 人類絶滅」

なんとも懐かしさ漂うキャッチコピーです。

20世紀の後半、世界は東西冷戦の核の脅威の元にあり、アンゴルモアの大王もまだその神通力を保っていた。そんな時代に育った「滅亡世代」にとっては、たとえ予告編のCGがチープであっても、なんとなく劇場に吸い込まれてしまう映画でした。

事故の発生から最初の「時間の波」が現れるあたりまでは、なかなか引きつけられる展開。「あのとき何が起こったのか」という謎解き要素も期待をたかめる。しかし良かったのはこの辺りまで。

話の核心であるパラドックスの原因については、たしかにあれで説明はつくもののあまりに単純。カオス理論そのもので何のひねりもない。あれではくしゃみをしただけでも「時間の波」が来てしまいます。でもまさに「バタフライ・エフェクト」だったのが何かおかしかった。また最後の解決方法も、パラドックスものとしては極々標準的なもの。なんとも物足りない。

でも原作が数10ページの短編だということを考えると、あの程度のオチでも仕方ないかも知れません。結局2時間の映画の原作として、選択を誤ったということでしょうか。

そんな物足りない物語部分を補うため、また長編映画としての上映時間を稼ぐために挿入されているのが主人公たちの冒険シーン。これが厳しい。CGのレベルも相当つらいものがあるし、でてくるクリーチャーも「進化」という概念の範囲内で押さえられているために、恐怖を感じさせるようなものはでてこない。また主人公のサバイバルの様子もかなり行き当たりばったり。

そして何よりも問題なのは「終末感」がほとんど感じられないことです。

結局この話の場合は「人類絶滅」じゃなくて「人類変質」なんですよね。いまの文明が破壊されるというよりも、今の文明とはちがった文明だったことになってしまう。それはそれでイヤかもしれないけれど「滅び」は感じられない。

映画では「時間の波」が来ると人類はパニックに陥っていたけれど、本当は何も感じないはずですよね。最初から木が巨大だったり、動物が巨大だったりする世界になるわけだから、人類だってそれらの環境が当たり前になっているはず。まぁそれじゃ映画にならないけど。

SFとしてもアクションとしても特撮映画としても終末映画(?)としても、なんとも物足りない。がんばって作っている感じがあるだけに、残念な映画でした。

温かく見守ってあげられる方は、ぜひどうぞ。

サウンド・オブ・サンダー@映画生活

#077

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

ご無沙汰しています。
感想こそ書いていませんが、今年になってから劇場に映画を22本、観に行きました。
これもその一本です。

CGがチープでしたね~。
「ジュラシック・パーク」や「ナルニア国物語」のCGと比べると・・・、うーん。(苦笑)
クライマックスにちらっと見せる”人類の進化形”には思わずクスっと笑ってしまいました。

タイムトラベルを扱う映画や小説では避けて通れないのが、パラドックスの問題。
いろいろ矛盾を感じずにはおれませんでしたが、一番気になったのが、恐竜狩りツアーでは毎回同じ時間に繰り返し出かけていたはずなのに、なぜ過去をいじってしまったあのときに都合よく飛べたのか?
最後に出かけたときが最優先になるものなのでしょうか?

エドワード・バーンズは「プライベート・ライアン」以来のファンだし、ベン・キングスレイも大好きなので楽しみにしていただけに・・・。
残念ながら、温かく見守れませんでした・・・。

投稿: つっきー | 2006/04/30 10:41

いやぁ、懐かしいですねぇ。お元気ですか?
なんか冠婚葬祭の時にしか会わない親戚に久しぶりに会ったような感じです。

しかし22本というのは尋常な数じゃありませんね。週2本ペースですから、めぼしいもの全部じゃないですか(ていうか本作のようなめぼしくないものも入ってますよね)。

CGは予想通りでしたね。「ナルニア」はともかく10年以上前の「ジュラシック」にも圧倒的に負けているのが涙を誘います。

>最後に出かけたときが最優先になるものなのでしょうか?

なるほど、言われて今始めて気がつきました。パラレルワールドの話ですね。この映画では時間軸は一本しかなくて、過去を変えるとその時間軸上に塗り替え(時間の波)が起こるという理論なんでしょうね。
私はそれより、毎回同じ時間同じ場所にハンティングに出かけることでハンティングを安全に行うことが出来ると共に、恐竜のCGも1パターンで済み安上がりであるという点に感動しました。


投稿: starless | 2006/04/30 22:26

こんばんは。
すみませんー。以前にトラックバック&コメントを残そうとしたときにメンテナンス中で書き込めなく、その後すっかり書き込んだつもりになっておりました。(_ _)申し訳ないです

進化の波っていうのは面白い設定でしたが、これだけタイムスリップものがあってはそれを納得させるのは難しかったですね。普通は変わったことも気づかず瞬時に「それがあった」ことになりますから。
どうして人間が一番最後なのか、どうして次に人間になるのがわかるのか、修復したときには進化の波はないのかー、などなど。(^^;

CGが確かにお粗末っていうのもありましたが、それを差し引いてもどうかなって感じでしょうか。
過去に行ったときに、いつもあの恐竜というのも危険性というのもあるでしょうが、作品上、過去に影響を与える時間点ということでしょうね。でもほかの恐竜ハントもみたかったなー。

トラックバックさせていただきました。

投稿: 白くじら | 2007/02/12 22:12

>進化の波

どうも原作は1952年のもののようです。
ひょっとしたらこの頃はまだ「パラレル・ワールド」という概念はなくて、時間軸は一本だったのかもしれませんね。

せっかくですから(?)フォローしてみたいと思います。

>瞬時に「それがあった」ことになりますから。

これはやはり時間軸が一本であるため、伝わるのに時間がかかるのかと。

>人間が一番最後なのか、どうして次に人間になるのがわかるのか

これは多分、進化レベルの低い方から順番に変化していくため、人間が一番最後になるのでしょう。

>修復したときには進化の波はないのかー

予算切れでしょう。

投稿: starless | 2007/02/12 23:16

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