ダーク・タワー I ガンスリンガー/スティーヴン・キング
キングが1970年から2003年にわたって執筆した、全7部からなる大長編「暗黒の塔」。
「ガンスリンガー」を買うのは3回目だ。
82年にアメリカで刊行された本書が、日本で刊行されたのは92年。角川書店の単行本だった。キングの幻の大長編として日本では名前のみが知られていた「暗黒の塔」シリーズ。その第1部がついに日本で発売されたわけで、飛びつくように買った記憶がある。壮大なシリーズの序章であり、ページ数的には全体の10%にも満たない量であるからして、単体の小説として考えると、正直あまりぴんとこない作品であった。
アメリカではそのとき第3部まで刊行されていたのに、なぜかそのあと日本での刊行が続かず、いつしか本書の内容は忘却の彼方に過ぎ去っていった。
次に「暗黒の塔」を目にしたのは02年頃であろうか。角川文庫でいつの間にか第4部までが刊行されていたのである(刊行は99年頃だったようだ)。実に10年後のことである。
CDとDVD。これらにスペースを取られ、本を保管しておく場所はない。読んだ本はある程度溜まればブックオフ行き。悲しいかなそれが現状であり、「ガンスリンガー」ももはや手元にはなかった。記憶を新たにするため、第1部を買い直して第4部までを通しで読んだ。2部以降は怒濤の面白さであった。
そしてまた時は移る。
アメリカでは「暗黒の塔」が完結したようだ、との噂をききながらも日本での刊行の話はなく、いつしか手元の1~4部もブックオフに消えた。
そして迎えた05年の年末。突如、新潮文庫で「ガンスリンガー」が発売された。さらに06年の秋までに順次第7部まで刊行されるというのだ。そしてキング本人によりすべて加筆・訂正がされているという。決定版である。新潮社さんありがとう。
ついに「暗黒の塔」完結である。喜んで1~4部も買い直し、全部読み直してやろうではないか。そして第7部発売の暁には、発売日から読み出すのだ。
ちなみに「暗黒の塔」は全7部ではあるが7冊ではない。1部(1冊)、2~3部(上下)、4部(上中下)、5~7部(発売前だがたぶん上中下)、全17冊である。以前に買った角川文庫(1~4部)が8冊。最初の1部が1冊。私が購入するであろう「暗黒の塔」はたぶん26冊となるであろう。とんでもない量である。
かくして我は三度、暗黒の塔へと向かうのであった。
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