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2006/03/01

007/サンダーボール作戦

tb シリーズ第4作 1965年

【007】 ショーン・コネリー
【 敵 】ラーゴ(スペクターNo.2)
【主な舞台】イギリス~バハマ

前作「ゴールドフィンガー」大成功をうけて、非常に短い間隔で制作された本作。いよいよ国際犯罪組織スペクターが本腰を入れて動き出します。

前作に引き続いて、本作でも原爆を使った悪事が試みられます。「核兵器」ではなくて「原爆」というのがなんとも懐かしい言葉の響きです。このころの007の悪役は、邪魔をするのは宇宙開発、脅迫の手段は原爆というパターンが多いです。それだけこれらの要素が当時の重要関心事だったということでしょう。後年はこれらが「経済」や「麻薬」になったりするわけです。意外と当時の世相を反映している007シリーズなのです。

メインタイトル前の冒頭エピソードは、歴代の中でもなかなかの出来。スピーディーな展開から度肝を抜く(?)新兵器の登場と、短い中にも見所がたくさん。あのジェットパックを、特撮ではなく実際に飛ばしてしまうところが、当時の007シリーズが力業で作られていた様子がうかがえます。でも、あのヘルメット姿は頂けませんね。

それから舞台はイギリスの保養地へ移り、NATO(これも懐かしい言葉)パイロットのすり替えを巡るスパイ戦が描かれます。ボンドが変な整体機械(?)で命を狙われるなど、何となく弛緩した展開がなんとも言えません。でも締めはバイクからミサイル発射&自動車爆発炎上と無理矢理見せ場をつくります。

これ以降はバハマに舞台が移り、海を舞台にした冒険が繰り広げられます。何でも本作の25%は海中での撮影シーンだということで、60人近いダイバーが入り乱れるラストの原爆争奪戦がクライマックスとなっています。

ただ個人的には、「水中戦」て今ひとつ盛り上がりに欠ける印象があるんですよね。音はごぼごぼしてるだけだし、マスクの関係で誰が誰だか分かりにくいし、動きはもっさりしてるし。個人的に本作の印象が今ひとつなのも、この点にあるのかもしれません。敵役のラーゴも本人は結構悪役顔で(眼帯がいかにもです)いい感じなのですが、手下が島のちんぴらみたいな奴が多くて、あまり強そうじゃないのが残念です。

本作では久しぶりにスペクターの会議のシーンがあります。ヘマをした人が椅子に座ったまま処分されてしまうのが、お約束ながら楽しいシーンです。また対するMI6側でも、00要員を全員集めての指令会議が行われます(もっとも本編には他の00要員はいっさい出てこないのですが)。この部屋のセットなどは素晴らしいもので、一見の価値ありといえるでしょう。

このように両陣営ともが総力を挙げた諜報戦を繰り広げているという設定にもかかわらず、結局は水中でごぼごぼしているだけというのが、ちょっと残念なんですよねぇ。

でも短い制作期間を資金力で無理矢理乗り切っている、シリーズの全盛期が楽しめるのも確かです。

次回作では、ついにボンドが日本上陸を果たします。

#070

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コメント

007が、スパイなどを開発しなかった?


投稿: BlogPetのちゃん吉 | 2006/03/05 09:09

こんにちは。

この作品では水中シーンが見所ですが、おっしゃるとおり水中ならではの「もっさり感」があるのも事実でしょうね。
私もスロー感、そして誰が誰だか判らなくなってしまう点は気になりました。

ストーリー的には、スペクターもMI6もメンバーが総出演で「おおっ!」と思いますが、実際には他の00要員は出ませんし…うーん、残念です。ひょっとして水中に混じっていたのでしょうか。(^^;
スペクターNo.2は、眼帯が恐さを強調していましたね。前線でバリバリ活躍するのも強さを表しているところでしょう。なんとも言えないやられ方でしたけど。(T T)

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。

投稿: 白くじら | 2010/08/13 10:13

たぶん豊富になった予算をですね、水中撮影にたくさん使ってしまったのでしょう
これを陸上に使っていたら、もっとすごいアクション作になっていたでしょうに…

投稿: starless | 2010/08/13 14:12

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受信: 2010/08/13 09:48

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