« アザーズ | トップページ | コンスタンティン »

2006/03/18

007は二度死ぬ

nido シリーズ第5作 1967年

【007】 ショーン・コネリー
【 敵 】 ブロフェルド(スペクターNo.1)
【主な舞台】 日本

シリーズの人気絶頂期において、ついにボンドが日本にやってきました。原作では妻を失って傷心のボンドに対して、Mが気晴らしのために日本行きの任務を与えたという設定のようですが、映画では順番が逆になっています。

どんな国でも、たとえ敵の本拠地でも、いつもは本名を名乗って正面から乗り込んでいくボンドですが、今回は違います。潜水艦を使った大がかりなトリックを使って、「死んだふり」までして日本に乗り込みます。当時の日本はそこまで危険なイメージだったのでしょうか?後には「スパイ天国」とまで呼ばれる国になるのですが。

さらに敵の本拠地である島に乗り込むにあたっては、整形手術(?)により、なんと日本人の漁師(笑)に変装しています。敵の正体がスペクターの首領であるブロフェルドと知っての、この用心ぶりだったのでしょうか。ある意味ちゃんとスパイっぽいともいえます。

本作で描かれる日本は、まさに「異境」。映画「ブレードランナー」で描かれた21世紀のロスと、どことなく似ているのはなぜなのでしょう?今となっては、昭和40年代の妖しい日本を笑って楽しめばいいのでしょうね。制作側もはるばるやって来た日本を最大限に取り入れようという意図があったようです。ボンドカーはトヨタ2000GTですし、丹波哲郎扮するタイガー田中もかなり活躍の場を与えられています。最後の突入シーンでも忍者軍団が日本刀を持って大暴れ。残念だったのは神戸でボンドに襲いかかる悪役が、どう見てもただの港湾労働者にしか見えなかったこと。もうすこし見栄えのいい悪役いなかったのでしょうか?

本作はここまでのシリーズで最も派手な作りとなっています。潜水艦を使った日本潜入。ヘリコプターで敵の車をつり下げて処分。火山上空でのジャイロとヘリの空中戦。直径100数十メートルのセットを組んだ火口内の秘密基地と、そこで行われる大乱戦。後の荒唐無稽なボンドシリーズの原点はここなのかもしれません。

さらにすごいのは、これらのスペクタクルシーンにほとんど特撮が使われていないことです。特撮技術が未熟だったせいもあるでしょうが、当時のボンド映画の資金力はすごかったのですね(それだけの人気があったわけですが)。ただスタントマンは相当危険にさらされていたみたいですね。ジャイロのパイロットはかなりの重傷を負ったようですし、ラストの忍者軍団では、天井からの降下の際に足首を折った人もいたようです。

今回の敵役は、ついに正体を現したスペクターNo.1ブロフェルド。大きな傷跡が印象的な、ボンドの宿敵にふさわしい怪しい風貌でした。これからしばらくボンドとブロフェルドの死闘が続くわけですが、ショーン・コネリーのボンドはひとまずここで終了となります。

#074

|

« アザーズ | トップページ | コンスタンティン »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

ほとんど実写というのが、ほんと、今見ると凄いですねぇ。
…作品自体は笑っちゃいますけど(^^;

投稿: rukkia | 2006/03/19 15:07

007のメイキングを見ていると、スタントマンって危険な仕事なんだとしみじみ感じます。監督なんか「危ないかなーとは思ったけど、無事に終わってよかったよ」てな感じですからね。
最近の監督は、口を開けば「安全安全」ですから、時代も変わりましたね。

投稿: starless | 2006/03/19 20:24

私もこの映画の特典メイキングを見ましたが、建物1個作るといい、カメラマンの負傷といい、裏話も濃いものがありました。
日本に死んだふりで入国するのは、やっぱりニンジャが闊歩する謎の国だと思われたのではないでしょうか(笑)。そんな国にあの恰好で変装したと思っているボンドもボンドですけど(^^;。
この映画、かなりの部分が『オースティン・パワーズ』の元ネタになってますね。

投稿: サンタパパ | 2006/03/22 03:30

>サンタパパさん
コメントありがとうございます。
現行の007のDVD(「特別編」)は、メニューのデザインから特典の内容まで、とても充実していて素晴らしい出来だとおもいます。
特典を見て感じるのは、このシリーズに携わった全員が、シリーズに誇りと、何よりも愛情を持っていることです。
結局それらがDVDの仕上がりひとつにまで影響しているんでしょうね。

投稿: starless | 2006/03/22 13:01

こんにちは。

ううむ、これほどの場面設定をほとんど実写と言うのがCG氾濫の今となっては信じられないことですね。

日本はこんな風に思われているんだ!というとんでも映画ですが、それはそれで面白かったりします。
ラストの忍者100人のシーンなんてゾクゾクしちゃいますね。
ついにスペクター壊滅か!と思ったのですが…。

トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。

投稿: 白くじら | 2010/08/13 10:29

この映画って、シリーズの中の位置づけとしては、まぁ「駄作」ですよね、きっと。
でも、この前後の作品と比べると、プロダクションのでかさ、大がかりさはずば抜けていますよね。
映画の大きさ的には、初期の頂点だったと思います。

投稿: starless | 2010/08/13 14:15

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104162/9149510

この記事へのトラックバック一覧です: 007は二度死ぬ:

» 007は二度死ぬ(1967) [萌映画]
007第5作、日本人ならこの映画は笑って見よう。 中国と日本と東南アジアの微妙に入り混じった変な東洋世界、ブレードランナーだと思えば楽しめるだろう。 007シリーズの格調度を一気に下げた作品ともいえるかも。 スモウレスラーは当然のこと、忍者養成所なんて、香港ムービーの元ネタかと思うような景観。< 1967年の作品だからこれのが先だと思うんだよね ジェームズ・ボンドが日本人に化けるところがゲラゲラもの。 ドクター... [続きを読む]

受信: 2006/03/19 15:06

» 007は二度死ぬ [かたすみの映画小屋]
1962年の『007/ドクター・ノオ』以来、好評を博してシリーズ化されたイアン・フレミング原作、ショーン・コネリー主演のスパイ映画『007』シリーズ。その第5弾は日本を舞台にした『007は二度死ぬ』でした。地球の軌道に乗ったUSAの有人宇宙船・ジュピター16号に謎の宇宙船が近づいて通信が途絶え、忽然と姿を消すといった事件が発生。国際会議の席でUSAはソビエト連邦を非難しますが、イギリス情報部は謎の宇宙船が日本から発射されているという情報を得て、007ジェームス・ボンド(ショーン・コネリー)を英領... [続きを読む]

受信: 2006/03/22 03:27

» 007-5 007は二度死ぬ [MOVIE-DIC]
アメリカとソ連はお互いに滅ぼしあい、新たな支配者が現れる。 1967年(You Only Live Twice)製作国:アメリカ、イギリス監督:ルイス・ギルバート原作:イアン・フレミング製作:ハリー・サルツマン、アルバート・R・ブロッコリ製作総指揮:脚本:ロアルド・ダール撮影:フ…... [続きを読む]

受信: 2010/08/13 10:17

« アザーズ | トップページ | コンスタンティン »