アンダーワールド
人類の社会の裏側で、いにしえの時代から続いているヴァンパイア(吸血鬼)とライカン(人狼)の戦い。ある人間の青年をライカンが襲撃し、それをヴァンパイアの処刑人セリーンが助けたことから、両陣営の存在を揺るがす大事件が始まる。
一見(というより思いっきり)ホラー映画に思える本作ですが、ホラー色はかなり薄い映画です。ホラーというよりアクション、それもギャング映画に近い雰囲気の映画です。敵対する両陣営の長年にわたる抗争、掟破りとなる陣営間の恋愛とその破滅、仲間の裏切りなどなど、まさにギャング映画的な要素が盛りだくさんです。
舞台が現代であるゆえに、両陣営とも抗争には銃器を使用します。対ヴァンパイアには紫外線弾(紫外線が封じ込められていて青白く光っています)、対ライカンには硝酸銀弾(硝酸銀は流体なので、通常の銀弾のように弾丸を摘出することができません)が使用されるなど、妖怪好き(?)が楽しめる設定も盛り沢山です。
ヴァンパイア族は基本的に美形が多く、立派なお屋敷に綺麗な服を着て住んでいるのですが、ライカンはむさ苦しい男性ばかりで、ストリートギャングっぽい暮らしをしています。このあたりも伝説の妖怪たちの現代での暮らしがかいま見れて楽しめる部分です。
ヴァンパイアには男女が存在するのですが、ライカンには男性しか居ません。「狼男」ですから男なのは当たり前なのですが、なぜ女性の人狼は存在しないのでしょうね。昔大好きでよく読んだ平井和正の「ウルフガイ」シリーズでは、「虎人間」の女性が出てきたりしていましたが。
抗争が結局銃の乱射になりがちなこと、ケイト・ベッキンセイル演じるセリーンが見た目は素晴らしいものの今ひとつ存在感に欠けることなど難点も多いのですが、魅力的な脇役陣の活躍もあり、なかなか楽しめる映画です。なかでもヴァンパイアの長老ビクターは良かったですね。
なによりこのような「血族」の物語を楽しく思える方には、絶対のおすすめ映画です。
まもなく続編「アンダーワールド・エボリューション」が公開予定です。
#063
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コメント
続編ができるんですね、知らなかった~。
この作品で二時間かけて、ドラマの設定を
説明してくれたし、今度はお話がどう
転がっていくのか興味深いところですね。
投稿: くるっぱー | 2006/02/09 08:14
このあと「ブレイド」を見たんですが、こっちのほうが設定とか武器の理屈とかしっかりしてますね…。
いわれてみれば、ライカンは…どうやって増えるのでしょうか。
噛んで仲間を作るしかないのでしょうか。それだとあまり結束しない気も(^^;
投稿: rukkia | 2006/02/09 13:17
>くるっぱーさん
「エボリューション」の公式サイト(英語版)では「血族表」のようなものがあって、ヴァンパイアの第三の長老マーカスやら、両種族の始祖となった大昔のハンガリーのおじさんとか、色々な人が紹介されています。なんか「1」で死んじゃった人もみんな出てきて、親族大集合みたいになる気がしますねぇ。
>RUKKIAさん
この映画では両種族とも「ウイルス」が原因となっている設定なので、結局両方とも感染者の集まりなんですよね。死なないからどんどん仲間が増えてしまう気もしますが、はぐれ者は人間に各個撃破されてしまったりするので、みんなで団結して身を守っているのでしょうか。大勢のほうが血の調達とかも楽ですし。
「ブレイド」って映画もありましたね。彼は全然吸血鬼には見えません(笑)。
投稿: starless | 2006/02/09 19:29