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2006/01/05

キング・コング

kingkong 「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソン監督が、同シリーズの大成功の余勢をかって挑んだリメイク。

制作費2億ドルを超える超大作。

主演はなんとジャック・ブラック。こんな大作の主役に抜擢されるとは意外ですが、彼はこういった「自分の夢にのめり込んだ身勝手な男」を演じると上手ですね。ヒロイン・アンを演じるのはナオミ・ワッツ。彼女の映画は初めてでしたが、美人でありながら愛嬌もあるいい女優さんでした。

3時間を超える本作ですが、最初の1時間ほど、髑髏島に着くあたりまでは大きな動きもなく、主人公たち人間のドラマが描かれます。人によってはこの部分が長すぎるという印象を受けるかも知れません。しかし、髑髏島上陸後の大混乱の中、ストーリーをきっちり進められたのは、前半で丹念にキャラクターを描いたからだと思われます。「急がば回れ」といったところでしょうか。

髑髏島に上陸すると、不気味な現地人に始まって(同じ人間なのに、ROTRのオークみたいに描いちゃって大丈夫?)、コング、恐竜、ムカデ、コウモリ、その他得体の知れない虫などなど、あらゆる巨大生物のオンパレード。たぶん髑髏島の99%はCGだと思いますが、その作り込まれた密林世界は圧巻です。無数に飛び交う羽虫のようなものまで描き込まれており、あんな島には行きたくないと素直に実感できる仕上がりです。

そして髑髏島ではものすごい密度でアクションが展開されます。はっきり言って過剰すぎます、量的にも時間的にも。ここまでいくと、そこに描かれている人間たちの恐れや痛みなどは全然実感できません。ぞろぞろ出てくるクリーチャーやばらばら吹き飛ばされる人間たちをただ眺めているだけ。

3頭の恐竜とコングのアンを巡る戦いなどは、ハラハラするというよりも笑ってしまいました。まるでおいかけっこするトムとジェリーを見ているようです。アンを心配するよりも、よくあれで死なないなと感心してしまいます。

本作のストーリーの中核をなすのは、アンとコングの間の愛です。アンはコングに命を助けられたりする中で、コングに愛情を持つようになります。しかしだからといって、アンはコングと一緒に髑髏島で暮らすわけにはいきません。やはり文明世界に帰らなければならないのです。コングも同じです。アンに惹かれてはいますが、ニューヨークでアンのペットとして生きていくことなどできるわけがありません。

アンとコングの愛は、初めから成就することなどあり得なかったのです。コングはともかくアンには分かっていたはずです。ニューヨークで暴れるコングの前に現れたアン。自分への愛情ゆえにあまりに遠くに来てしまったコング。アンにできることは彼に一時の安らぎを与えることだけでした。

あまりに異質な、相容れないもの同士が出会ったときに何が起こるのか。そこで生まれる「憎悪」については多くの映画で描かれてきました。しかしそこで生まれるのが「愛情」だったとき、「憎悪」が生まれるとき以上の悲劇が起こる場合もあるのです。

キング・コング@映画生活

#059

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コメント

ちゃん吉たちが、ニューヨークでばらばらと、ものすごいドラマなど与えることだけでした
広い大丈夫を憎悪しなかった。


投稿: BlogPetのちゃん吉 | 2006/01/08 15:41

こんにちは。
凄い作品でしたねぇ。やっぱりなんといってもまずは特撮部分に引かれてしまいましたが、人間ドラマ的にも面白かったので、3時間級でも飽きずに観ることができました。

あのブロントサウルスの激走やツタを使ったV-REVとの戦いなど、本来はちょっとありえない!シーンの連続でしたが、新しい戦いの場を見せてもらえたということで満足しています。それにしてもあの昆虫などがうごめく谷は嫌でしたねぇ、私はああいう小さなものなどが大群で襲ってくるのが苦手なので、かなりゾゾッときていました。でも実はあのワームクラスは大丈夫なのです(笑)。
まぁ、確かに過剰すぎるくらい凄かったですね。凄すぎたせいか、時折まざるコングとのやり取りがかえってよかったです。

今回はコングとアンとの心の交流がありましたね。夕日と朝焼けのシーンは素敵でした。話自体はこの上もない悲劇でしたが、双方の気にいっていたようなので、ラストの名セリフは変えてもよかったのでは、と思っています。

※トラックバックさせていただきます。

投稿: ぽこ | 2006/01/15 11:59

>ぽこさん
コメントありがとうございます。

私は、虫は大きいのも小さいのもイヤですねぇ。とくにワーム系はイヤなんです。

>ラストの名セリフ
これについては、ぽこさんのところでちょっとおうかがいしたいと思います。

投稿: starless | 2006/01/16 21:40

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