オーメン2/ダミアン
シリーズ第2作。
両親の死後、叔父の家に引き取られたダミアン。やがて彼は13歳に成長し、陸軍士官学校に入校する。時を同じくして、彼の周りで再び不吉な出来事が起こり始める。
イギリスからアメリカに舞台を移し、雰囲気もすこし明るくなったオーメンシリーズ第2作。
映画は「1」が終わった直後から始まります。ダミアンの父が失敗に終わったことを知ったブーゲンハーゲンに災いが降りかかるのですが、いきなり「2」の世界から始まるのではなく、「1」の後日談的なエピソードが一つ入るところが、前作のファンにはうれしいところです。
2作目以降急激に影が薄くなるこのシリーズ。実は本作は、13歳になったダミアンが、悪魔の子である自分の正体を知り、苦悩しつつも悪の道に入っていくという、シリーズの転機となる重要エピソードなのです。
と、ここで大きな疑問が浮かびます。「ダミアン、あなた今まで自分が悪魔の子だって知らなかったの?」
両親の葬儀でにっこり微笑むダミアンのカットで幕を閉じる前作。当然前回の惨劇はダミアンのせいだと思ってたんですが・・・
ここで2つほど仮説をたててみました。
1) 悪魔が物心つくのは13歳くらいで、それより前のことは覚えていない。
2) 前作の事件はダミアンが起こしたものではない。
まず1)ですが、さすがにこれは情けないですよね。前回の事件が物心ついていないダミアンが起こしたものなら、「1」と「2」の間にも毎日のように事件が起こっていそうなものですが、どうも「1」と「2」の間には静かな日々が続いていたような雰囲気。だいたい物心ついてすぐ士官学校ってのも大変です。
となると2)なのですが、本作ではみんなダミアンのことを「悪魔の子(devil's son)」と呼んでいます。「悪魔の生まれ変わり」や「悪魔の分身」ではなく「悪魔の子」ってことは、お父さんである「悪魔」は別にいるってことですよね。壁画に描かれた4人のアンチ・クライストの1人がダミアンであるということは、ひょっとしてダミアンは4人兄弟なのかもしれません。
将来地上の悪魔崇拝者の中心的存在とするべく息子ダミアンを送り込んだ悪魔パパが、息子の正体を守るために起こした騒ぎが「1」だったのかもしれません。
確かに、いくら悪魔の子だからって、遠くイスラエルの地にいる人間を殺害するなんて、6歳の子供には荷が重すぎますよね。たぶんまだイスラエルの場所も知りませんよ。でも悪魔パパのパワーだったら余裕でしょう。
「2」でも、従兄弟と叔母さんは間違いなくダミアンの仕業だと思いますが、後はパパかもしれませんね。なんか納得はできたけど、ちょっとダミアンの株さがりました。
今まではみんなダミアンのせいだと思っていたので「何を今更」と思っていたのですが、基本的にパパの仕業だったとするならば、本作でダミアンが従兄弟を手にかける場面は、彼が初めて人を殺し「一線を越えた」事件だったわけで、ダミアンがショックを受けたのも頷けますね。
次回作は19年後、ダミアン・ソーン32歳。
#055
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コメント
うーん、難しいですよね。
私は以外と昔のことは忘れているのでは、と思いました。つまり人間のことなどどうでもいいような感じで…特に子供のころは本能で生きていますから、成長するにつれ余計なことを考えるようになってのではないでしょうか。
事件自体は周囲がカバーしていますから、なんとも…確かにパパもしていたかもしれませんね。
従兄弟を手にかけてしまうところはなかなかよかったですが、子供が邪悪と思わせ恐ろしかったギリギリの作品でした。
3作目は「なんとも」といった記憶があって…でもDVDも発見しましたし、また観てみます。
※トラックバックありがとうございました。こちらからもさせていただきました。
投稿: ぽこ | 2005/12/27 00:00
どうも「ダミアンこそが諸悪の根源」的なイメージが強い映画なのですが、もしそうだとするならば、あかちゃんの頃から、夜泣きをすると近所で怪死が続出といったような騒ぎがあってもよさそうなものです。
ただ13歳まではふつうの子供と考えてしまうと「1」は何だったのということになってしまいます。
悪魔パパがあれだけの力を外から及ぼすことができるとしたら、どうしてダミアンの存在にこだわるのか。
地上の悪魔崇拝者をまとめ上げ、世界を支配するためには、「力」だけではなく、目に見える「象徴」が必要なのでしょうかねぇ。
投稿: starless | 2005/12/27 10:16