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2005/10/06

オデッセイの脅威を暴け/クライブ・カッスラー

odyssey 古くは「レイズ・ザ・タイタニック」、最近では「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」が映画化された、クライブ・カッスラーのダーク・ピット・シリーズ。本作が第17作です。

シリーズが生まれて約30年。私自身が読み始めてからは20年ほどになるでしょうか。

このシリーズは、海洋科学者ダーク・ピットが歴史上の遺物調査に携わる傍ら、その周辺で陰謀をたくらむ組織と対決する、という骨格で続いてきています。以前はこの「宝探し」と「アクション」のバランスが絶妙だったのですが、近年はどういう訳か「アクション」がどんどん肥大化し、バランスが崩れる傾向にあります。

本作でも、ダーク・ピットは世界征服をたくらむ巨大企業に相棒のジョルディーノとともに乗り込み、007ばりの(それ以上の?)大活躍で敵を壊滅させます。シリーズの大きな魅力だった両要素のバランスの崩れは、修復されるどころかますますひどくなっているかもしれません。

そんな今一つの本作ですが、昔からのシリーズファンには必読かもしれません。本作ではピットに大きな転機が訪れるのです。

前作もお読みになった付き合いの良いファンの方は、物語の最後にピットの子どもたちが登場したことをご記憶だと思います。突然シリーズに登場したこの子どもたちは本作にも再登場しますが、彼らのシリーズにおける役割が本作において明らかになりました。

それは世代交代です。

30年に渡って活躍してきたピット。自分の衰えと、自分の人生の価値について、彼は次第に考えをめぐらせることとなります。そしてピットは現場からの引退と、永年の恋人との結婚を決意するのです。

本作は、ピットとローレン下院議員の結婚式で幕を閉じます。2人を祝福する多く友人たち。みなシリーズでおなじみのメンバーです。ファンの方であれば、まるで自分も参列しているかのような気持ちになるのではないでしょうか。

本来は永遠の活躍を望むべきシリーズ物のヒーローの引退と結婚のシーンなのに、失望ではなく祝福で胸が一杯になるなんて。自分も歳をとったということでしょう。

ジョルディーノにも幸せになってほしいな。

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