荒野の七人
ジョン・スタージェス監督が、黒澤明の「七人の侍」を原作に、ユル・ブリンナーやスティーブ・マックィーンらスター軍団を集めて製作した西部劇。
この映画が製作されたのは、今から40年以上も前のこと。アクションシーンもかなり地味なものであり、現在の映画を見慣れた目から見れば、かなり見劣りがする映画であるのは確かでしょう。
しかし、この作品はただの「昔のヒット映画」ではないのです。
主人公である7人のガンマンを、それぞれワン・エピソードづつで、きっちり観客に印象付けていく演出の素晴らしさはどうでしょう。それぞれの役名は覚えられなくても、どんな男なのかが確実に伝わってきます。
俳優たちは決してしゃべりすぎず、ふとしたたたずまいだけで気持ちを伝えてくる。物語の語り口も、饒舌になることなく、ユーモアを忘れず、軽快そのもの。そしてバックには、一度聴いたら忘れられないキャッチーなテーマ曲。
思えばこれらの特徴は、同じスタージェス監督の「大脱走」にもそっくりそのまま当てはまりますね。
映像的にもストーリー的にも、あまりにサービス過剰な現在の映画。そんな「過剰さ」と対極にある「荒野の七人」が観客を引きつける力は、現在の映画より劣っているのでしょうか?この映画を見ていると「映画のおもしろさ」や「映画作りの上手さ」とは、どこから来るのだろうと考えてしまいます。
今のサービス過剰な映画の中で、40年後の観客を魅了できる作品はどれくらいあるのでしょうね。いわゆる「名画」とよばれる映画には、「昔ヒットした」というだけではなく、それ以上の「なにか」が隠れているのかもしれません。それが「映画の奥義」なのでしょうか?
#044
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コメント
こんばんは。トラックバックさせて頂きました。良かったら寄って見てください。(^^♪
投稿: axis_009 | 2005/09/18 03:00
こんばんは。ブログへのご来訪、コメント、ありがとうございました。 starlessさんはHMファンなんですね。ジューダスの記事を読ませていただきました。(^^♪
これからも音楽メインに、映画、楽器の話題などを掲載して行こうと思っています。よかったらまた寄って見てくださいね。
よろしくお願いします。
投稿: axis_009 | 2005/09/19 22:21