トゥームレイダー
同名の大ヒットビデオゲームをアンジェリーナ・ジョリーの主演で映画化。
大富豪のトレジャーハンター、ララ・クロフト。彼女は失踪中の父が残した手がかりから、謎の秘密結社が世界を操る力を持つ古代の遺物を狙って暗躍していることを知る。
ストーリーは皆さんが予想されるように「レイダース」タイプです。ただし「レイダース」と比べると、アクション度とオカルト度が大幅にアップし、謎解き度とドラマ度は大幅にダウンとなっており、一言でいうと「派手で大味なインディー・ジョーンズ」といったところでしょうか。
お宝を守っている石像がおもむろに襲いかかってきたりするわけですが、この映画の中では、その現象について何の説明もありません。謎解きに関しても、敵の秘密結社が知らないことを、ララはいつの間にか知っていたりします。「トゥームレイダーの世界では、石像は注意しないと襲いかかってくるものであり、ララは不死身のスーパーマンである」といったことを何の抵抗もなく受け入れることのできない人には、ついていけない映画かもしれません。
細かな説明を端折って余った時間はすべてアクションシーンに費やされています。アクションも、基本的にララはやられることはありませんので、「ハラハラする」というよりララの超人っぷりを楽しむものになります。二丁拳銃を撃ちまくり、上下左右に跳躍するその姿は、まさに「ゲームでのララ・クロフト」そのものといっていいでしょう。
映像で完全に再現された、荒唐無稽な「トゥームレイダーの世界」を見て楽しめるかどうかがで、本作の評価は決まるのでしょうね。
アンジェリーナ・ジョリーは「はまり役」といっていいでしょうね。クールで皮肉なララのムードが良く出ていたと思います。見ていて単純に「かっこいい」と思わせるだけのものはあったと思いますし、ララをかっこよく見せるための映画である本作にとっては、彼女の起用は大成功だったと思います。
全体にドラマ性は希薄で、ぶつ切りの映像が連なっているだけのようにも思えますが、ぶつ切りの部分部分が映像的にはかっこよく撮れているので、十分「見て」楽しめるだけのものにはなっていたと思います。
ジョリーのララ・クロフトをもっと見てみたい気もしますが、シリーズ化するにはこのままでは無理でしょうね。もう少しララの人間性を描写するとともに、遺跡のなかでも、動く石像ではなくて動物(虎や熊などの猛獣)やトラップなどで危機を盛り上げるなど、一般の人にもついて行きやすい世界観に修正して、「ゲームでの超人ララの再現」とは別の魅力を作り上げる必要があるでしょう。
まぁ、昔よく「トゥームレイダー」で遊んだ私にとっては十分楽しめる映画でした。
#036
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- マグニフィセント・セブン(2017.02.18)
- ザ・コンサルタント(2017.01.28)
- 本能寺ホテル(2017.01.23)
- アンダーワールド ブラッド・ウォーズ(2017.01.09)
- Year 2016(2016.12.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント