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2005/08/14

デスペラード

despe ロバート・ロドリゲス監督、アントニオ・バンデラス主演のガンアクション。

恋人を殺され、自らも左手を銃で撃ち抜かれてギタリスト生命を絶たれたマリアッチ。ギターケースの中身を武器に替え、宿敵であるブチョの住む街に乗り込む。

なんでも、ロバート・ロドリゲス監督はあのクエンティン・タランティーノのお友達だとか。なるほど「日本刀を銃に置き換えたキル・ビル」といった感じの話であります(こっちの方がだいぶ前の映画ですが)。バイオレンスな描写などにも共通点は見られますが、キル・ビルと違って、こちらの方は悪趣味でくどくなるすれすれのところで踏みとどまっております。

ストーリーは昔のマカロニ・ウェスタンそのもの。撃って撃って撃ちまくる合間に、ちょっと友情ちょっと恋愛といった感じ。主人公のマリアッチは、予想とはちがって意外にひょうきん者。よくしゃべるし、ミスも多いし、ケガも多い。やはり昔のクリント・イーストウッドの様に無口で無愛想で無敵な主人公では、お客は呼べないのでしょうかねぇ。今は親しみを持てるタイプじゃないとダメなのでしょう。

それにしても登場人物はみんな顔が濃いです。まさに「暑苦しい顔」のオンパレード。主役の男女はこてこての美男美女だし、悪役はすごい悪顔。ギャングの部下たちもみんなこわい顔。これなら字幕見なくても役柄がわかります。

文字通りアクション以外なにもないアクション映画なのですが、これはこれでいい映画だと思いました。登場人物間の人間ドラマをきっちり描いてもいませんし、観客に問いかけてくるようなテーマもありません。でも、説教臭かったりお涙ちょうだいだったりするアクション映画が多い中、アクションをかっこよく撮る事だけを考えたこの映画の潔さは、一つの方法として評価すべきだと思います。アクションにおけるばかばかしさのバランスも、ぎりぎりのところでアクション映画の枠内に収まっていると思います。

危機に陥ったマリアッチの呼びかけに応じて、元バンド仲間が(たぶん死を覚悟して)集まってくるシーン。マリアッチのために無言で戦い無言で死んでいく、ちょっとぐっとくる場面でありました。なにも面と向かって感動的なシーンを入れるばかりが人を感動させる方法じゃありません。ばかばかしいアクション映画でも、人を感動させることはできるのです。

#040

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