« キル・ビル Vol.1 | トップページ | CUBE2 »

2005/07/21

CUBE

CUBE カナダ製作のSFサスペンス。

上下左右に連結された謎の立方体(キューブ)の中に閉じこめられた6人の男女。誰が何の目的で彼らを閉じこめたのかは誰にもわからない。彼らは出口を求めて移動しはじめるが、いくつかの部屋には殺人トラップが仕掛けられていた。

おもむろに不条理な設定で始まるこの映画、あらすじだけ読むとさまざまな殺人トラップを楽しむ映画に思えます。たしかに映画の冒頭からすごいトラップを見せられるのですが、以降のトラップは意外に地味。数学的知識を駆使してトラップを回避する方法を発見してからは、トラップ自体に引っかからなくなります。多彩なトラップを期待される方には期待はずれとなるでしょうね。

ではつまらないのかと言えばさにあらず、実はこの映画、心理サスペンスだったのですね。不条理な状況に追い込まれた人々の恐れ、怒り、そして猜疑心。監督同様見たこともきいたこともない俳優さんたちですが、なかなか良かったと思います。

映画自体は、いかにも低予算。コンテナを2つくらい用意して、照明の色を変えて変化を付ける。舞台はそれだけ。不条理な設定も、シーンを「キューブ」の中だけに限定することで、余計なコストをかけないためのアイディアなのでしょうね。最近のハリウッド大作では、1億ドルなんていう巨額の製作費がかけられる映画も珍しくありませんが、この映画は「まだまだ金よりアイディアで勝負できる」ことを証明した映画といえるのではないでしょうか。

ところでこの映画、意外に真面目だなと思ったのは、ちゃんと「キューブ」の正体に対するヒントが与えられていたことです。

なぜ「キューブ」の中に入れられたのか誰にもわからない。誰が「キューブ」を作ったのか誰も知らない。「キューブ」からは誰も出られない。「キューブ」の中は進んでも進んでもおなじようだ。場合によっては元の場所に戻っていたりする。「キューブ」の中では不条理に命を落とすことがある。

「キューブ」の外壁を設計した彼(すいません、役名わすれました)は、なぜ最後に「キューブ」から出ようとしなかったのか。その理由は、「キューブ」から出たとしても、そこも「キューブ」の中であることを知っていたから。

「キューブ」とは何か?

みなさんも、わたしも、みんな「キューブ」の中にいるのですよ。

#030

|

« キル・ビル Vol.1 | トップページ | CUBE2 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

およっ、偶然ですねぇ。
私も次のエントリーは『CUBE』の予定だったのです。
記事を書き上げてからトラックバックして、あらためてコメントつけにまいりますねぇ。

投稿: つっきー | 2005/07/22 00:06

ついに見ましたよ、「ソリッド・シチュエーション系」(笑)

投稿: starless | 2005/07/22 00:09

トラックバックさせていただきました。

なかなかイケるでしょ?<ソリッド・シチュエーション系

相変わらず鋭い視点で映画をご覧になってますね。尊敬です。
そうなんです。この作品を作るにあたって、脚本は監督を含めて3人での共同執筆だったようですが、数学的な理論については数学博士に頼んで、2週間かけて勉強したらしいです。

キューブの外壁を設計したワースは、キューブの中にも外にも救いはないと思ったんだと解釈しました。
starlessさんのご指摘通り、キューブは人生そのもので、私たち自身、キューブの中を彷徨っているんだなぁと思います。

ところで続編をご覧になる予定ですか?

投稿: つっきー | 2005/07/22 05:56

starless さん、TBのお誘いありがとうございました。

私はこの作品を見た直後、最初の殺され方にふるえあがって、しばらくそれだけが頭に焼き付いてしまっていて、あまり冷静にこの作品を評価することができませんでした。

ところが「2」のほうを見てからは、「1」が実は、そういう殺人トラップだけを見せるために作られたわけではないことがよりはっきりと見えてきたため、私の中でのこの作品の価値が高まりました。

TBいただいたのは、2作品を比べて書いたレビューだったので、私のほうは「1」からTB送りますね。「2」を書いていただいたら、比べて書いたほうから送ります。楽しみにしています…とプレッシャーを掛けるのは悪いかな。

他の記事もゆっくり読ませていただきます。

投稿: ちんとん@ホームビデオシアター | 2005/07/22 08:51

>starlessさん
はじめまして。
TBとコメントありがとうございました。
こちらからもさせていただきました。

まさにアイディア勝負の映画でしたね。

投稿: ユカリーヌ(月影の舞) | 2005/07/22 17:11

これは最初からすさまじいトラップで度肝を抜いてくれました。このシーンは小鳥頭な私でも忘れそうもありません。
でも確かに以後のトラップでそれを越えそうなのは収束するワイヤーくらいで(失敗するし、成功していたらとんでもないことになりそうでした)でしょうか。でもあの最初主人公(ホントはキューブ?)かと思ったと人があそこまで壊れてしまうとは…。
トラップシーンが無くとも十分怖い作品でしたね。

ちなみにちゃんとキューブの構成がどうなっているのか判るところもよかったですね。
それにしても最初その法則が間違っていたのによくあれだけの部屋で大丈夫だったものです(笑)。

※トラックバックありがとうございました。
こちらからもさせて頂きました。

投稿: ぽこ | 2005/07/22 21:31

> つっきーさん
「2」も見るつもりです。みんながダメという映画。いいところを見つけられるでしょうか?

> ちんとんさん
「1」の記事があることを見落としていました。失礼しました。しかし「2」はどうにも微妙な存在なのですね。「2」が「1」の引き立て役になってしまうとは・・・

> ユカリーヌさん
コメントありがとうございました。
どうしてお金がある時ってアイディアがわかないのでしょうかねぇ。

> ぽこさん
冒頭に一番凄いシーンを持ってくる映画って、たいがい今一つなんですけどね。宇宙戦争みたいに。
この映画は違ったようです。

投稿: starless | 2005/07/22 23:17

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/104162/5084156

この記事へのトラックバック一覧です: CUBE:

» CUBE [つっきーの徒然草]
この映画が公開された頃、まだ”ソリッド・シチュエーション”というカテゴリがなかったため、キャッチ・コピーは”オーヴァー・ジャンル・ゲーム”ムービーとなっていまし [続きを読む]

受信: 2005/07/22 05:44

» 『キューブ』 [ちんとんのホームビデオシアター]
-=-=-[思い出したくもない感想] ネタバレなし-=-=-  こわくて、こわく [続きを読む]

受信: 2005/07/22 08:41

» CUBE [月影の舞]
「CUBE」  カナダ/制作年:1997 立方体の部屋へ閉じ込められた職業も性格も 違う6人の男女が、死と隣り合わせの脱出劇 を繰り広げるビンチェンゾ・ナタリ監督、脚 本によるサスペンス。 典型的な不条理劇なので設定がどうとか あまり深く追求することに意味をも... [続きを読む]

受信: 2005/07/22 17:08

» CUBE [活動映像の街]
人間は人生を制御できないから…。 男性が目覚めたとき…そこは黒と白でデザインされた立方体の部屋でした。各壁、いや、天井、床にも中央部分にハッチがありました。男性はこわごわとハッチを開けようとします。鍵もなく嫌な音を立ててハッチが開きました。向こうには色..... [続きを読む]

受信: 2005/07/22 21:23

» CUBE [a story]
主演モーリス・ディーン・ウィン、ニコール・デ・ボア、デヴィッド・ヒューレット、ニッキー・グァダーニ、アンドリュー・ミラー、ウェイン・ロブソン、ジュリアン・リッチングス 監督ヴィンチェンゾ・ナタリ 脚本ヴィンチェンゾ・ナタリ、アンドレ・ビジェリク、グレーム....... [続きを読む]

受信: 2005/08/16 00:48

» 映画「CUBE」 [しょうちゃんの映画観賞日記]
DVDで観ました。ヴィンチェンゾ・ナタリ監督デビュー作品。謎のキューブの中で繰り広げられる警察官、女医、女学生、刑務所脱獄犯、建築設計士、精神障害者の6人の脱出劇、謎解き、人間心理などが上手に描かれています。アイデアにしろ斬新な映像も好きです。全体的に緊迫感...... [続きを読む]

受信: 2005/10/27 16:18

« キル・ビル Vol.1 | トップページ | CUBE2 »